忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
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フランスの新聞社襲撃はテロか?

2015-01-18 | 雑感

 イスラム教の予言者を風刺する漫画を掲載した新聞社が襲撃され12人が死亡するという
痛ましい事件が発生した。

イスラム過激派が起こしたテロだといわれているが、ニューヨーク貿易センターの同時多発テロ
や頻発する自爆テロとは性格が違っていてこの"テロ"というのに少々違和感を感じる。

同時多発テロや自爆テロは直接関係のない市民、つまり社会全体をねらったものだが、今回の
事件のターゲットは個人と新聞社である。

以前、イスラム教を揶揄した小説「悪魔の詩」の訳者が殺害される事件が全世界で多発し、日本でも邦訳を行った大学教授が何者かに殺害された。事件は未解決のままとなっている。今回
の新聞社襲撃事件はマシンガンを使用し白昼強襲したものだが、被害者数や凶器などに圧倒
的な差異があるもの、今回の襲撃事件と「悪魔の詩」事件は同じ性格のものと思える。

勿論暴力は何があっても許されない。
しかしこの事件で「表現の自由!」、「テロ撲滅!」と声高に謳われていることにも抵抗がある。

「表現の自由」とは? 特に欧米のいう「表現の自由!」とは何か?

ヨーロッパ諸国は永くキリスト教会の強い権力と戦って「自由」を勝ち取って来たという歴史が
ある、だからこそ「自由」に対しての強い思い入れがあるという。 だが権威、権力と戦ったので
あって、相手の信仰の尊厳を冒すようなことまで「表現の自由」を押し付けてはならない。

この新聞社は事件後に風刺漫画を増刷している。それだけ買う人がいたとも言える。これでは
イデオロギーではなく商業主義の「表現の自由」ではあるまいか。