『錦繍』は十年前に別れた夫婦が蔵王を登るゴンドラの中で再会する場面から始まる。
時は錦繍の季節である。
別れた理由は、夫が美貌の愛人に刺された事件がスキャンダルとなり、いたたまれず夫が去ったからである。
しかし、この物語は男女の愛憎を描くというより、人の世の出会いと別れの儚さを、抒情的に綴った書簡体の物語である。
私は、この『錦繍』の文庫本を、その時一番愛しかった歳下の男性にプレゼントした思い出がある。
深い付き合いがあった訳ではない。
相手は独身だとはいえ、17歳も歳下の
若者である。
しかも綺麗な同僚と同棲していた。
その若者と、社内で会う度に、熱くヒリヒリとした視線を感じた。
それが錯覚であったにせよ、私の中で、厚い灰に埋れてた炎が勢いよく燃え出したのである。
読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️
最新の画像もっと見る
最近の「エッセイ」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事