読書の森

ひろさちや 『病気に振り回されない生き方』



先日の書評『病気に振り回されない生き方』は、うっかり削除してしまいました。

本日は内容のまとめと、それについての感想を述べさせて頂きます。

現代の日本人は誰もが少なからず「病」や「老い」、そして「未来」に不安を持っていると言えるでしょう。
著者は病や老いは特別でも異常でも無い、人である以上自然になる事だと述べています。

正直、本著の「ありのままを受け止めて頑張らずに生きる」という言葉には私は抵抗がありました。

今よりもより安心出来る生活を目指す為に努力したい、という思考になります。
しかし、この私の思考様式は全く裏目に出てしまった様です。
努力がカラ回りして、走り過ぎて肝心の生活をぶち壊す羽目になったのです。

「あるがままをしっかり受け入れることです。そうしないと不安だけが募ったり、不安から脱却するために無駄な努力をすることになって、事態をさらに悪化させる原因になってしまいます」
もっと早く知るべき至言でした。



皮肉なことに、長生きしたいと思う人が志半ばで亡くなったり、早く死にたいと願う人がいつまでも生きていたりします。
仏教徒である著者は「仏様が決める」事と言います。
その言葉には付いていけませんが、人の寿命は人知や努力だけではどうにも計れないものだと思います。

勝手な言い分ですが、私は人生の残り時間と収入との兼ね合いからあまり長生きしたくはありません。
働く高齢者となるには、体力的にもかなりの無理が要ります。
長生きしたく無いという手合いに限って死ねないものかも知れません。

それでも、お金の為だけに生きている訳ではありません。
お金は手段であって目的ではないのです。
正直、有れば有るだけ良いですが。



健康や経済生活への不安は、多くの人、特に高齢者が持っています。
最近、私は外出する度に、それを実感します。
買い物をする内容が違ってきたと思えます。
無駄を省き、ギリギリの線で暮らしている独り暮らしの人が殆どになって驚きます。

ここに病が襲ったらパニックになるだろうと思います。
とても、老いれば自然に病むものだなどと言ってられません。

しかし、目に見えるものばかりに「振り回されてはいけない」と思います。
なろう事なら、自由に自分をギリギリ追い込ませずに生きていきたいです。

その為には、結果ばかりを重視する社会は厳し過ぎるかなと思います。
未来の制度を上手く利用出来ない老人が大勢いる様です。
無理のない、人に優しい社会になる事を私は願って止みません。

読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

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