よろずよもやまよろずたび

地元の写真と日々の雑感、写真日記です.
最近は陶芸三昧の日々ですが・・・

ファンタジーの国

2012-03-05 | その他

日本に住んでいて、日々違和感無く暮らしているわけですが、中国や韓国のニュースを見ていて 「ちょっとオカシイだろ」 と思うことがあり、中国や韓国が異質なんだと思っていました。
しかし、中国映画、韓国映画を観ていると、欧米の映画と違わない雰囲気があって、そうしたものと比べると日本映画の方が、不思議な感じに思えることもあります。
それで、なんだかオカシイな・・・と思っていたのですが、どうやら異質なのは日本の方であり、世界中を見渡しても この独特の文化・思考というのは極めて珍しいようです。

中国が1000年前の宋の時代から、哲学的な儒教の思想を基本とした最先端国であったのに対し、日本ではそれ以前の唐の時代に伝わった仏教を国政に採り入れました。 神や仏を理屈抜きに信じれば救われるというのは単純で、民衆を従えるのにもチョー便利だったのかもしれません。以来千年余り、日本人に染付いた八百万の神々や仏様への信心は簡単に拭い去れるものではなくて、それに天皇制が続いている間は、先の中国化が起きたとしても、完全に塗り替えられることはないように思います。 ゆるやかに日本的な中国化が進むのじゃないかと・・・

ところで、日本には宗教や権威の象徴として美術品が多数残っています。 で、仏教が中国から伝わったのだから、中国にもさぞかし沢山のものがあるのだろうと思ったところ、文化大革命の頃に多くが壊されてしまったそうです。 なんとももったいないことです。 ただし日本でも明治初期に神仏分離令をだしたところ、これをきっかけに廃仏毀釈運動が広まって危ういこともあったそうです。

さて、写真の像は「芸術新潮」の空海特集に載っていた 高野山東寺の「持国天立像」(839年・木造) にて 「日本で最も恐ろしい四天王といわれている」 とのことです。 たしかに恐ろしいお顔ですが、なんとも格好いい! 中国的ではない現代に通じる日本の美を湛えているように思えます。 これらは空海の意を汲んで作られたのだと思いますが、出来上がった像を見て空海も大いに感動していたかもしれませんね。

それにしても八百万の神々や仏様が渾然一体となって住まわれる日本ってファンタスティックな国ですね。



写真:芸術新潮 8月号(H23)より 

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「中国化する日本」

2012-03-05 | 



経済や軍事で圧倒されて中国に呑みこまれてしまうというような話ではありません。

で、中国化とは
1000年前の中国は宋の時代から始まる
『 皇帝が儒教思想を基に権威と実権を掌握。科挙制により能力次第で地位や冨を得られる。また貨幣の普及により市場原理が導入されて個々人は地縁に関係なく流動的で、血縁関係よりも個人的なコネクションが優先される社会 』 のことだそうです。

それに対して日本は、平氏・鎌倉時代に封建制を確立し、『 権威者(天皇)と権力者(将軍)が別人で、世襲により社会・組織への帰属意識が強く、階級が固定され能力があっても権力や富が得られにくい、流動性の低い社会 』 というように、中国化とは真逆で、これを江戸化と呼んでいます。

その江戸化は、第二次大戦後も 護送船団方式とか終身雇用のようなかたちで、連綿と受け継がれ、明治維新に一時的な中国化の動きがあったものの、馴染めずに今に至っているのだとか。

しかし、終身雇用なども廃れ、首相がコロコロ代わる現在、ついには世界標準的な中国化をやらなきゃ持たないところまで来ているんじゃないかというわけです。

はたして、それが幸せな日本になるのかどうか分かりませんが、状況はその通りのような気がします。

お薦めの一冊です。




 

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