本書は、従来の様式論を基にした考古学的検討による生産地および生産年代の設定を軸としたものに加え、数えきれないほどの文献史料を精査した陶磁史の研究書です。
で、冒頭の「はしがき」には古九谷論争についての結論が述べられていて、すなわち 『文献史料と考古学的推論との検証にもとづく論理的帰結として、通説否定の結論をくだした。』 とのことです。
少しずつ、こういう見解の専門家が増えていくと、いつかは 古九谷 ≠ 伊万里の一様式 として認められるようになるんでしょうね。
ところで、陶磁器についての専門用語や日本・中国・朝鮮の歴史が出てくるのですが、知らないことばかりで、ただ読んでも(読めない字もあって)ちっとも分かりません。 で、ネットで調べながら読んだのですが、まぁ疲れました。 でも、知れば面白い陶磁史であります。