生物学者の福岡氏と阿川佐和子さんの対談です。
主に阿川氏が聞き手となって福岡氏が語る生命の不思議について記されていて、とてもワクワクする内容です。主に生物の動的平衡について説明されているのですが、それは川の水が絶え間なく入れ替わっていても全体として恒常性が保たれているように、生物も同じように分裂しない細胞(心臓や脳など)であっても摂った分子や原子と入れ替わってるのだそうです。そして、そういう動的平衡にあって様々なことが関連つけられているというのに、現代医学ではパーツに分けて機械論的に扱っているとして、疑問を呈しています。 ただし動的平衡は科学界では主流じゃないそうです。というのも「メカニズムとして身体を考えるから医学が成立し、薬が開発され・・・というのに対し動的平衡では、できることなら薬は飲まないほうがよいとしているので、それじゃ経済が回らないから資本主義の社会には馴染まないから・・・」 とのことです。
で、それやらこれやら話しがいろんな方面へと及ぶ福岡氏の博識と洞察には驚かされるばかりですが、そういったことの基になっているのが子供の頃に受けたセンス・オブ・ワンダーなんだと。
「センス・オブ・ワンダー」というのは、レイチェル・カーソンの本によれば「神秘さや不思議さに目を見張る感性」とのことで、後に知識や知恵の土壌になるというのです。 でも大方の子供は不思議に思うことがあったとしても、大人になれば 「まぁそんなもんだ」と忘れてしまうと思います。もし忘れずにいたとしても簡単に解けるものは少ないだろうから、いつしか諦めちゃうのですよね。 でもでも、こういう話が面白いと思えるのは、誰しも子供の頃に得た感性を残しているからかもしれません。 それと、その本によれば「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要じゃないのだとか・・・物覚えのワルイ自分としては何だかとっても助かる言葉です。 え、そりゃ子供の頃の話だって・・・ぅ~む。
・・・とかなんとか思いつつ、猫の絵や彫像を集めた本 「猫まみれ」 を炬燵に入って眺めています。
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この本によれば福岡氏は、生物学者を辞めて、少し違った(哲学的な?)方向へ行くみたいです。これからの活躍も楽しみかもしれませんね。
その、「動的平衡」や、アリの20%は、働いていない話など、結構面白く聞きました。
ついつい、福岡さんの本を探していましたわ。