かたち
2012-02-28 | 本
貝殻のかたち、蝶の羽の模様、シマウマの縞模様、ヒョウの斑点模様、そういったものがどうして出来るのかを、遺伝、化学、物理学者たちの仮説・実験を概観しながら説明した本です。
ほんとうは数学的な素養が必要と思われる内容ですが、数式はほとんどありません。代わって図、写真が各所にちりばめられているので、何となく分かったような気分にさせてくれるので、淀みなく読み進められて面白い本です。
さて、生き物の形や表面の模様がどうして出来るのかということですが、「遺伝子に刻まれている」 というのが様々なメディアから知るところだと思います。しかし『ダーウィニズムでは有利な模様や形態が生き残ることを説明するが、そもそもどうして生れたかという問題には沈黙している』とのことで、それだけでは説明できないといいます。そして化学的な実験により生き物と同じようなパターンを 試験管の中やコンピューターによるシミュレーションで再現できることを証明し、モルフォゲンと名付けた化学物質が組織の中に拡散することで、生物も化学的な作用を受けて形になるのだというのです。
ちなみに、実験の一つに 「BZ反応」 というのが紹介されているのですが、その様子がYouTubeにも沢山乗っていますので、御覧になってみてください。面白いです。
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