五、「教会とわたしたち」(302)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革―スコットランド
(さらに体力の衰弱をもたらした。それでも彼は彼の忠実な補助者リチャードソン・バレンデンに支えられながら上り下りして講壇に立ち、病を抑えて、静かな調子であるが熱意を込めて説教を語った。しかしながら、病弱が進むことを恐れエディンバラに帰るよう勧める者もあり、また、エディンバラ市民の代表者が来て教会の指導を熱心に願い出たこともあり、聖アンドリューズを離れて、1572年に、移って来たその年の8月末の聖日に、再び懐かしいエディンバラの教会に帰着して説教を語った。しかしその声は弱く、かつての面影はなく、彼の方から小さな会堂を求めた(ここまで前回)
ので、大会堂のセント・ジャイル教会からエディンバラ城の方に古典道路約五百米上ったところにあるトルブース教会が選ばれることになった。今日は尖塔が高く(18世紀建築)、エディンバラでは目立つ教会である。(つづく)
遅れたことをお詫びして、参考資料を記しておく。スイスのカルヴァンのときの資料は、多くあった。その一つ渡辺信夫著「カルヴァン」(清水書院1968)中心に用いた。スコットランドについてはこの日本に一つしかない資料今村好太郎著「ジョン・ノックス.その生涯と事業」(新教1966)を中心にエディンバラで1974年に入手したJ.S.Mcwen:The Faith of John Knox 1960、その他ネット資料用いている。