五、「教会とわたしたち」(325)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革とその後―
わたしたちの世界の新しい時代は西方社会の16世紀の宗教改革から始まったといっても過言ではない。もちろん、われわれは東方の東の最先端の小さな島国であり、中国大陸との関係の中で小さな独立社会をつくっていた。しかも戦国時代といって国家としてのまとまりを失いつつあった。1549年ザビエルの来日によってその変化の影響を受けることになる。
すなわち、この時代に起こった西方の宗教改革という運動の展開の効果の一つは、西方キリスト教がコロンブスの影響からヨーロッパの状況の外へと拡大したことである。(ここまで前回)ヨーロッパでは16世紀初頭から17世紀中葉までの大航海時代が始まるのであるが、キリスト教的にはその象徴的なその拡大の最初の事件は、1620年、メイ・フラワー号の帆船に乗船した120名ばかりのイングランドの清教徒(ピュ―リタン)共同体がマサセチュー湾に到達したことによって更なるキリスト教拡大時代の幕が開かれたといってよい。このことは特に現代、アメリカ学として神学的に重要になって来た。
従って、キリスト教神学の歴史の要となり、出発点となっているのは、いわゆる宗教改革である。そのため、今まで述べてきた1520年代の初頭のルターとカルヴァンの宗教改革があった。しかし、この二つ出来事とは、そのはじめ関係なしにスイスのチュリッヒ(つづく)