五、「教会とわたしたち」(434)
5.近代から現代へ(宗教改革とその後)
はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その74)
最終篇に入ります。
第二十二篇 神の国の永遠の浄福に
7.この世がキリストを信じるに至ったのは、人間的な説得の結果ではなく、神の力の結果である。
8.この世をキリストの信仰へと獲得するためになしとげられ、世界が信ずるに至った今でもなされている
奇跡について。
いったいだれが神をほめたたえずにおれようか。全教会は隅々まで喜びと感謝とに涌き返った。ある人が走って来て、まさに始まろうとする行列を待って座していたわたしにこれを告げてくれた。それから、次々とやって来ては、別の人が前に述べたことをそれぞれ教えてくれた。わたしも喜びに加わり、神に対し静かに感謝をささげていたところへ、若者も大勢の他の人々と一緒に(前回はここまで)やって来て、わたしの足許にひれ伏した。わたしは彼を立ち上がらせ、口づけした。わたしたちは教会を満たした会衆に加わった。会衆には讃美の声がこだましていた。「神に感謝せよ。主をほめたたえよ」。みなの人が叫んでいた。わたしが人々に声をかけたところ、人々は前よりもいっそう声高く叫び出した。ようやく静粛が取りもどされたとき、聖書の教えが厳粛に朗読された。
わたしが説教をする時刻になったとき、わたしはこのような折に適し、また起こったばかりの喜ばしい出来事にふさわしいような短い勧めを行った。かくも雄弁な神の行為に面しては、他の人がそれについて語るのを耳にするよりは、それぞれが(つづく)(「神の国」出村彰訳)