五、「教会とわたしたち」(420) 5.近代から現代へ(宗教改革とその後)
はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その60)
最終篇に入ります。
第二十二篇 神の国の永遠の浄福に
1. 天使と人間の創造について
神は人間を確かに地上的被造物としてではあるが、しかも自由意志を備え、創造主に固く留まる限りは、天に
ふさわしい・正しいものとして造られた。それゆえに、同じ理由によって、神を捨て去る場合には、これに相当す
る刑罰が加えられるのも当然である。同じように、神は人間が神を捨て、罪のゆえに神の掟てを破るであろうこ
とを予知しておられたが、そのような行為を行う力を人間から奪い取ることをされなかった。それは、同時に神
はどのような善を悪からさえ作り出すことができるかを(前回はここまで)知っておられたからである。この断罪
を受けた死すべき人間の子孫から、神は恵みのわざによって、御自分のために大いなる民を集めようとされ
た。それによって、神は堕落した天使の代わりとし、その愛する天の国がその市民の数を欠くことなく、さらに
大きな人数のゆえに喜ぶようにされたのである。
2.神の永遠に変わることなき意志について。
3.聖徒に対する永遠の浄福
4.人間の地的な肉体を天のすまいに移すこ
とはできないと考える、この世の知者に
対して。
学者や哲学者と呼ばれる人々うちには、前述ごとく、このような信仰と望みをもって
あらゆる種類の人々に霊感を与えて来た〔聖書の〕権威の重さに(つづく)(「神の国」出村彰訳)