創世記25章25章2節である。「彼女は、アブラハムとの間にジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアを産んだ。」という。六人の誕生の可能性は、イサクの誕生の神の特別な干渉と同じである。この四番目のミディアンは、ヤコブの子ら11人の兄弟に嫌われ、銀20枚で売られたヨセフを連れ去ったのはミディアン人の商人であったという因縁がある(37:28)。この6人はそれぞれアラビヤの遊牧民として聖書には隊商としての活躍が見られる(出3・1,士6~8章など)。
歴代誌上1章32節の「アブラハムの側女ケトラが産んだ子は、ジムラン~」の記事があるにもかかわらず、あえてこの時代には子供の出産は、アブラハムに関する限り、神力干渉説が有力であるが、決定的な決め手としては、創造の秩序との関係で後日の文献学的研究および考古学的研究の成果を待たねばならないであろう。現段階では、歴代誌の研究が21世紀に入って盛んになっているのでその成果を待ちたい。
3節である。「ヨクシャンにはシェバとデダンが生まれた。デダンの子孫は,アシュル人、レトシム人、レウミム人であった。」という。2節ではケトラの子として活躍している四番目のミディアンを紹介したが、ここでは曾孫の活躍である。その二番目の子すなわち「ヨクシャンにはシェバとデダンが生まれた。デダンの子孫は~」という。
デダンから生まれた三人の曾孫の活躍の紹介である。三人の曾孫は個人名ではなく、先のミディアンが「ミディアン人の商人」(創37・28)と呼ばれていた。これらの呼び名は隊商としての集団名のようで「アシュル人、レトシム人、レウミム人であった」。隊商形成して活躍していた。イザヤは彼らを「デダンの隊商」(21・13)と呼んでいる。