標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

「(役作りは完璧を目指さず)近似値で良い。すると幅ができる」(尾形イッセー)

2017-11-08 19:41:39 | 日記

これは今日のNHKテレビ「あさイチ」で、ゲストのイッセー尾形さんの発言だ。

ここ数年妻と私は、朝ドラを見るのが日課になっている。通常は朝ドラが終わると、それぞれ妻は妻の、私は私の作業に取り掛かるのだが、何もない時はあさイチを見ることがある。

今日の私は、午前中にリビングで取り掛かる作業があったので、テレビを点けっぱなしにしていた。作業をしながら、司会のイノッチと有働アナウンサーが、ゲストの尾形イッセーさんに軽妙な話術で問いかけていた。イッセーさんはドラマなどで見る感じとはことなり、穏やかで、かつ、よどみなく話していた。耳だけテレビに傾けていても聞きやすかった。

今日は、じっくりとテレビを視聴していたわけではなかったのに、尾形さんの発言が私の耳に入ってきた。俳優としての役作りだったか、人形作りに関することなのかは、定かでない。「近似値で良い。すると幅ができる」という発言が私の耳に入り、残った。完璧を目指さないで、近似値で良い。すると演技などの幅が広がるということだ。役作りだけでなく、日常生活も含めて、何事にも通用する名言だと思った。

発言されたご本人もそれを強調するような口調でなく、さりげなく発した。イッセーさんは、日本における一人芝居の第一人者であることのほか、映画、ドラマ、バラエティ、CMなど多彩で、番組内で樹脂粘土による人形作りを行っていることも紹介されていた。直接面会したこともない司会者二人の指人形は、イノッチ、有働アナの表情を巧妙にとらえた、愉快で素晴らしい作品であった。

その後、私は暫く作業に集中していたが、再びテレビでの語りが、耳に入ってきた。有働アナが「イッセーさんの座右の銘は何ですか?」との問いかけだ。イッセーさんはウーと考えてから、さっきスタジオを通った時、目についた言葉があったという。すぐさまスタッフが張り紙を外して持ってきた。「自分の人生を使い切る」という書であった。私が見ていた時間帯では、何のために掲げていたかは説明がなかったが、イッセーさんはこの言葉を座右の銘に代えて答えていた。即興でこうした対応ができるのは、芸を重ねた老巧な証拠だ。私は「重ねた」と表現したが、本来は「極めた」と言いたかった。しかし、極めでなく近似値的な表現を使った。

黒島結菜さん主演の土曜ドラマ「アシガール」(残念ながら私たちは視聴していない)にイッセーさんも出演している。このドラマに出演していて、「青春を思いキュンとする」と言い、「人生を(青春と65歳の今と)、使い切るというより、使いまわしをしている」というニュアンスの発言をしていて、楽しそうであった。

見よう、聞こうと思っていたわけでもないのに、イッセーさんの幾つかの発言は、私にとって新鮮に聞こえた。私も、キュンとするかどうか分からないけれど、ブログの世界やボランティア活動のなかでタイムスリップを味わいたいものだ。
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