標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

「袋田の滝」は私の40年前の生活を思い出させてくれるキーワード

2019-03-10 21:08:44 | 日記
茨城県大子町にある「袋田の滝」は、よくテレビの話題に上る。今の時期は、氷瀑といい滝が凍結する風景が紹介される。

今日のNHKテレビ「小さな旅”いてつく冬 待ちわびて~茨城県 大子町~”」
」の中でも袋田の滝でのレポートがあった。

袋田の滝にある茶店を営む名物おかみを旅人が訪れた。77歳で店を守っている。3か月前に共に営んできたご主人を亡くされた。一時は店をやる気力も失せた。しかし、ご主人と酒を飲み合わすようになったなじみ客らが訪れる。ご主人の話をするなど懐かしむ。もともと店は母親が担っていた。小さいころから、この店を継ごうと思っていたという。つまり、亡くなったご主人は婿養子だった。
母から受け継いだおでんのタレを煮込む。77歳とは思えない元気な掛け声と笑顔でタレを添えたコンニャクおでんをお客さんに振る舞う。

ところで、私も袋田の滝には何度か訪れたことがある。40年も前のことになる。7年間、栃木県で勤めていた時だった。独身時代、結婚し子供連れや両親も一緒だったときもあった。この7年間は、私の人生の一コマだけれど、独身、結婚、子ども、親を連れての旅行など中身の濃い時代だった。

トンネルを抜けて観瀑台から観た袋田の滝の姿は忘れなれない。白い滝筋が幾重にも左右に広がる光景だ。
袋田の滝は、日本三名瀑に数えられ、滝の流れが大岩壁を四段に落下することから、別名「四度(よど)の滝」とも呼ばれているという。また一説には、その昔、西行法師がこの地を訪れた際、「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と絶賛したことからとも伝えられているとのこと。

私は冬に訪れたことはないが、新緑や紅葉の時期に行ったことがある。滝を中心に四季色とりどりに変化する自然とそれに合わせて滝も変化する。
西行法師の語りのとおり、年に四度は訪れたい滝だ。

袋田の滝と聞くと、私の思い出が動く。でも、滝はいつも一枚のスチール写真のみで、他は栃木時代の様々な思い出に馳せる。

今日の小さな旅は、袋田の滝だけでなく、「凍(し)みこんにゃく」を受け継ぐ男性や、こうぞの皮をはぎ、和紙の原料作りに励む地域の人々も訪れていた。しかし、私の中には、“袋田の滝”の映像とおかみのエピソードの印象が強かった。
“袋田の滝”は私にとって、7年間の栃木時代の思い出へと誘うキーワードかもしれない。
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