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ソロモンの指輪

 久しぶりに

“ソロモンの指輪”を読みました

この本は

著者のコンラート・ローレンツが

自宅で沢山の種類の動物たちと共に暮らして

その生態を分析した動物行動学不朽の名著です

今でこそ「刷り込み」の概念は広く認知されているものの

ローレンツ博士がこの動物(ハイイロガン)の行動を発見したのは

今から70年も前のことでした

ハイイロガンが生まれてまもなく自分のそばで動く

大きな生き物を親だと認識する「刷り込み」は

犬にも当てはまることがあって

一度刷り込みが起こるとやり直しがきかないといいます

そう言えば

三代のどのアルファにも思い当たるふしがあって

良いに付け悪しきに付け

リセット不能なこの奇妙な動物の行動はどこまでも興味深いです  

ローレンツ博士は更に言います

犬には、ジャッカル系とオオカミ系があり

ジャッカル系の犬は、誰とも「仲良し」になって

誰が綱を引いても喜んで付いていく

一方

オオカミ系の犬は、一度主人と見定めた相手には

絶対服従の姿勢をみせ忠誠を誓う

例えば飼い主が変われば

なつくことはないし

それどころか

彼は主人を失った苦悩に耐えきれず

心理的均衡を失って

野良犬のレベルにまで転落してしまう・・・

いつもこのくだりを読むたびに

きゅっと胸をしめつけられるような気分に陥るのですが

アルファは勿論ジャッカル系

万が一手放すようなことがあっても

新しい飼い主を得て

路頭に迷うことはないと安心もするのです

“ソロモンの指輪”に出て来る

特化した話は

10ページ足らずですが

ローレンツ夫妻のそれぞれの飼い犬

それも

ジャッカル系とオオカミ系の犬たちを巡っての夫婦バトルは

とても愉快で

読むたびに気付く行間も未だにあって

この本はアルファが居る限り

何度も読み返すだろなと思います

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