焼石岳(1,548m)
山に限らず「一番好きなものは?」という質問には答えにくいものですが、山で見た紅葉の中で一番すごかったのはどこかと聞かれれば、躊躇なく焼石岳と断言できます。栃木県の高原山も素晴らしかったですが、スケールの大きさでは焼石岳に及びません。紅葉から原色の煌めきのようなものを感じたのは、ここ焼石岳をおいてほかにありません。
その焼石岳は、花の名山としても有名です。6月最初の日曜日、ちょうど山開きの日に登りました。焼石岳の花々は、紅葉と同じがそれ以上に強い印象があったと思います。ここに来て初めて見た花というのはなかったのですが、咲いている花の数に驚きます。
中沼ではミズバショウとリュウキンカが最盛期です。あの尾瀬でも、ミズバショウがこんなにはびっしり咲いていなかったと思ったほどです。水面はなだらかな雪の頂きをくっきり映し出します。
雪渓を登りきった後のチングルマ、そして山頂直下では姥石平のハクサンイチゲの大群落が圧巻でした。
山開きの日といっても、残雪はまだまだあります。今にも踏み抜きそうな雪のかたまりの下を沢が流れています。ミズバショウはそこにも咲いていました。陽が当たらないせいか、緑色の部分がなくて真っ白でしたが、かえって生命力を感じました。
すぐ登れる地元の人たちが羨ましいと思いました。「去年はもっと多かった気がする」という声を聞きました。たしか2年前に、三ツ石山でも似たような話を聞いたと思いました。東北の山々は、強いインパクトのあるところが多いです。
「おとといから開花がちょっと進んだかな」という人もいました。登って2日後に、同じ山にまた登ろうと思うのもすごいですが、そう思わせるものが焼石岳にはきっとあるのに違いません。
焼石岳の登山道には切り立った岩場は一つもありませんが、これはただの鮮やかを超越した凄まじい山だと思います。
(登頂:2018年6月初旬)
高原山がでていましたのでコメント書きました。
高原山は大きなカルデラですよね。でも、焼石山のようなお花畑はないんです。
行ってみたくなるような写真ありがとうございます。