乗鞍岳(3,026m) (前日のつづき)
槍ヶ岳から下山した翌日、同じ北アルプスの乗鞍岳へ登ってきました。
乗鞍岳の標高は3,026mで、2,702m地点の畳平までバスが通っています。日本一高い場所にある停留所です。下界がどんなに暑い日でも、バスを降り立てば誰しも涼しいと感じることでしょう。そして、わずか300mほどの高さを登れば山頂へ辿り着く乗鞍岳は、日本で一番容易く登れる3,000m峰と言われています。
ルーマニア生まれの指揮者、セルジュ・チェリビダッケはこう言ったそうです。
「ある作品の最初の音は、その後に展開する作品の完全な全体をすでに内包しているのである」。
(※)フリードリヒ・エーデルマン著・中村行宏/石原良也訳『チェリビダッケの音楽と素顔』(アルファベータ)
畳平から乗鞍へ登るのは、「最初の音」を聴かないで、最初の風景を見ないで3,000mの頂上に立つのと同じです。どうにもさぼった感じ、掻い摘んだ感じがしてしまうのも無理はありません。
同じように頂上の近くまでバスや車で登れる山でも、霧ヶ峰や美ヶ原のようにさぼった感じがしない山もあります。日本にはいろいろな山があるものです。
しかし、自分たちは昨日まで槍ヶ岳へ登ってヘトヘトです。こういう時に乗鞍へ登るのはいいなと思います。
バスはぐんぐん標高を上げていきます。自転車と何回かすれ違いました。下るのはとても爽快そうです。2003年から自転車も通れるようになったとのこと。
歩く距離は短くても、北アルプスの山らしく花は多かったです。
イワギキョウが多く、コマクサ、トウヤクリンドウ、ウサギギクもありました。
自然科学研究機構 乗鞍観測所。もと「乗鞍コロナ観測所」。
雲が切れて山頂が見えてきました。
肩の小屋は宿泊できる山小屋です。今日は30人後半ほどのお客さんだそうです。キャパシティには余裕がありそうです。「山の日」はどれくらいですかと聞いてみると、初めての祭日だし、まだ読めないとお話されていました。
小屋から先は岩がガラガラする道に変わり、山頂まで続きます。
(登頂:2016年8月上旬) (つづく)