心が満ちる山歩き

美しい自然と、山に登れる健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山・街歩き・温泉・クラシック音楽‥‥

尾瀬の森と湿原巡り 燧裏林道・赤田代・ヨッピ吊橋(5) ノメリ田代から天神田代へ

2020年08月15日 | 尾瀬・燧ヶ岳・会津駒


尾瀬・燧裏林道~赤田代~ヨッピ吊橋~鳩待峠 ((4)のつづき)


 深い森がずっと続きます。こんな道なら、ずっと歩き続けていても苦になりません。
 ブナの樹が多いのは、燧裏林道の特徴のひとつです。東北の山に登ると、ブナを見られるところは多いですが、この地のブナは何といっても背の高い木が多いのです。
 燧裏林道では、ひとつひとつの樹に驚くと言っても言い過ぎではありません。
 幹の大きく曲がったダケカンバがあります。ぐるっと曲がった部分に、濃緑のコケが生えています。曲がり方が、伊豆の天城山で見た「ヘビブナ」に似ています。小さな(ベビー)ブナではなく、ヘビのように曲がっているので、この名前が付いています。


 天城山のヘビブナ(2017年4月)

 ダケカンバは柔軟で、雪崩に遭っても生き残ることができるという話を、富士山の六合目で聞いたことを思い出します。その場所は、やがてダケカンバだけの森になるだろうとのことでした。
 ノメリ田代から40分ほどで天神田代です。とても小さな湿原がありました。傾斜もしていませんでした。
 ここからは、渋沢(しぼさわ)温泉小屋の跡まで登山道が通じていました。2009年に発行された『ヤマケイアルペンガイド3 尾瀬』(花畑日尚著・山と渓谷社)では、このコースが紹介されています。
 「~ ここにはみごとなブナ林が続いている。 ~」
 とあるのを読むだけで興味が湧きますが、今は歩くことはできません。壊れた道標には、「通行禁止」と貼り付けられていました。
 草が生い茂っています。これでは通行禁止でなくても歩けません。道は、自然に還りつつあるようでした。5年前に同じ場所に来た時より、その度合いは進んでいるように見えました。







 (写真:2020年7月中旬) (つづく) 



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