(つづき) 大川の滝に続いて見た、もう1つの滝がトローキの滝です。
反時計回りの路線バスで移動しました。海岸沿いの道路はところどころ起伏があります。面積およそ500㎢、周囲およそ130kmの屋久島は、そのほとんどが山で占められ、平地はほんのわずかしかありません。
島には平屋建ての家が多い(二階建ての家が少ない)と思いました。
中間川を渡る途中に、三角の形に突き出た山が見えました。七五三のような名前の、七五岳(1,488m)です。山容は麓の守り神そのものでした。
「鯛ノ川」という、縁起のよい名前のバス停で降りました。滝までは遊歩道を歩いていけばすぐです。
大川の滝より、サイズはずっと小さいですが、ユニークなのは滝壺がそのまま太平洋になっていることです。背後のとんがった山は、940mのモッチョム岳です。滝のまわりの海岸線は、すべて岩盤です。滝の反対側には地平線が広がります。
海に直接落ちる滝は海岸瀑と呼ばれ、数はとても少ないです。見たことがあるのは、屋久島のほかには、知床岬へ向かう遊覧船から眺めた滝だけです。
この日は静かでしたが、水量が多くなると水が「轟く」のが、トローキの名前の由来といいます。
伊豆半島にも、海岸瀑「対馬(たじま)の滝」があります。ぜひ見に行ってみたいですが、そもそも水が流れていない日が多いようです。
ここトローキの滝は、落差は小さいですが、本当に海に向かって直接落ちていると実感できます。干潮の時と満潮の時で落差は変化します。
(知床半島の海岸瀑・カシュニの滝です。
他にも海岸沿いに滝はたくさん流れていましたが、どれも海に落ちる前に陸地を少しだけ経由している感じがしました。知床岬へ行く遊覧船から見られますが、途中のカムイワッカ湯の滝で引き返すコースの船に乗ると、カシュニの滝は見られません。)
(写真:2016年5月上旬(知床半島・カシュニの滝は、2005年7月中旬)) (つづく)