羅臼岳(1,661m) (斜里岳のつづき)
斜里岳に登った翌日、知床半島のもう一つの百名山、羅臼岳に登ります。
”羅臼”の語源は、羅臼町のホームページに
「町名「羅臼」はアイヌ語「ラウシ(獣の骨のある所の意)」から転化したもの。この地一帯はアイヌの狩猟の地であったためこの名が起こったという。」
とありました。
登山口の岩尾別温泉まで送ってもらいました。途中、オホーツク海沿いで車を止めてもらいましたが、空は厚い雲に覆われています。
この国道334号線を通るのは12年ぶりです。その時も天気は良くありませんでした。
遊覧船で知床半島の先端まで行きましたが、国後島は何も見えませんでした。知床岬が薄く広い台地のようだったのと、”カシュニの滝”のことをよく覚えています。太い一本だけの滝が、そのまま海へと落下していました。見たこともない豪快な滝でした。
登山口の近くには、「ホテル地の涯」という、とてもユニークな名前のホテルもありますが、この時は残念ながら休業中でした。
相変わらず曇っていますが、登山口に建つ木下小屋の管理人さんは空を見上げると、上は晴れているんじゃないかなと話してくれます。
「こういう雲の時は、山頂は雲海」という法則があるのかもしれません。
期待して歩き始めます。羅臼岳は熊が多いと聞いていましたが、昨日の斜里岳で感じたような気配はありませんでした。立派な広葉樹が多く緑色が美しいです。
松の樹の、細かい葉の一つ一つに水滴が付いています。樹にかけられたクモの巣の幾何学模様にも水滴がびっしり付いています。まるで霧氷のような景色です。
斜里岳で、”また明日も、(羅臼で)会えるといいですね”と話していた人と、また出会いました。
「今日も来てすごいね」と声をかけてもらいました。昨日の斜里岳で、すでにヘトヘトに見えていたのかなと思いました。
登山道で同じ人に会うのは北海道ならではという感じがしました。斜里と羅臼は距離が離れていないので、まとめて登る人が多いだろうと思います。
しかし、二日連続で登るのは大変でした。まだ半分も登っていないのに本当にヘトヘトです。こんな声をかけてもらえるだけで、背中を押してもらえた気分になりました。
(登頂:2017年8月上旬) (つづく)