立山(別山(2,880m)・真砂岳(2,861m)・大汝山(3,015m)・雄山(3,003m))
((4)のつづき)
奥大日岳が雲の中に隠れたり、また現れたりするのを振り返りながら、剱御前小屋に着きました。
2年前に登った剱岳が素晴らしい姿を見せていました。間近でいられるこの時間に、ただ山を眺めているだけでなく、「平蔵のコル」から「カニのたてばい」をあんな風に登ったとか、一つでも多くのことを思い出そうとしてみました。
剱岳の時は、明日登る山を眼前にしただけで緊張したものですが、今日はそんな必要はありません。
雪はほとんど残っていませんが、小屋のほぼ直下にだけ、大きく残っていました。離れてみるとハート形で、さらに離れると人間の歯の形のようでした。色が白いので余計にそう見えたのかと思いました。
別山に向かって登り始めると、急に風が強くなりました。気温はそれほど低くなく、ダウンジャケットを着たり脱いだりの繰り返しでした。
日本海の方向からどんどん雲が湧いてきました。大日岳はほとんど見えなくなり、薬師岳の方角は真っ白です。天気の悪くなる予兆かと思いましたが、剱と立山の2座だけはくっきりしていました。
(登頂:2020年9月中旬) (つづく)