色即是空 ~ 行く川の流れは絶えずして ~ 3

北の大地での生活

All things in the universe

<19.Oct 2009 Mon>

2009-10-19 | 森ー植物、菌類、変形菌類

今年の紅葉の色づきはイマイチと言っても、秋の山の彩りには圧倒されます。

秋の山は息苦しくなるほど鮮やかで綺麗過ぎて、ちょっと苦手かも。
綺麗すぎて、息をするのを忘れてしまいそう、もしくは過呼吸になりそうです(笑)
実際に葉から葉緑素がなくなると光合成はしなくなるので、酸素排出量は減っているようです。


葉が黄色くなるのは、葉緑素クロロフィルの分解が始まり、
もともと葉に含まれているカロチノイド系の黄色い色素が目立ってくるためです。
最初は青いミカンが黄色くなるのと同じです。

葉が紅くなるのは、葉緑素クロロフィルの分解とともに、赤いアントシアニン系の色素が作られるためです。
何故、落葉前の短い期間に赤い色素を作るのかという疑問に対し、ひとつの仮説があります。
クロロフィルが完全に分解されるまでに、葉緑体から出たクロロフィルに光があたることによって
毒性の強い活性酸素が作られて、葉は光酸化障害を起こします。
そうなると、来春の新芽を出すのにも必要な葉からのエネルギーの回収効率が大幅に低下します。
それを防ぐために、赤い色で、光合成を行う上で最も効率の良い青色の光を遮ってしまおう、というのです。


彩り豊かな山が、時に息苦しく感じるのは、冬を前にした木々の
来年も生き残るための荒々しい攻防のせいかもしれません。

・・・まあ、単に赤い色の持つ心理的効果だと思いますが、森のしくみは面白いですね。
コメント
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