おばさんワールド

「一人暮らしだから、仕事を辞めたら話す機会が減るし、部署を変わってパートで出るのもいいかな？」
と言うような事を言ったら、
「だから、よくしゃべるんだ。」

「はっ？」

ここは飲み会。ほとんど親しくもない人々の集まり。
たまたま隣は同僚だけど、他の人には気を使ってしゃべっていた。
好き好んでニコニコをやっている訳ではない。
職場だってそう。
一応、場の空気ってもんがあるでしょうが。
この人は私が好きでしゃべっていると思っている。
しかも、一人暮らしだからその反動で外でしゃべっているんだと思っている。
好き好んで一人で居るわけじゃない。
アンタだってたまたま夫が死なないから一人暮らししてないってだけでしょうが。
腹の底からムカっときた。

「ものすごくキズ付いた。もうしゃべらない。」

と大人げなく横を向いてやった。

韓国料理店だから、次次運ばれてくる料理に唐辛子が入っている。
彼女は辛いのは食べれないといちいち料理に文句を言う。
ちぢみはチーズちぢみだった。チーズはダメだと言う。
「匂いがダメ。臭い。」
隣で人が食べているのに顔をしかめる。
サラダにも粉チーズがかかっていた。
「わっ、チーズ」
いちいちうるさい！

あげく果てに私に向いて
「よく食べるね。」
「職場でもお菓子が配られたらすぐ食べるよね。あんなに食べられるって感心して見てた。」

ハイハイ、私は大食ですよ。あなたに比べたらね。
だけど、今夜はせっかく出た料理にいちいちうるさいから、
場の空気が盛り下がらないように
アンタの分まで気遣って食べているのが分かんないのか！ばかやろぅ！

私は彼女の送りを最初に約束していた。
まったくもってお人好し。
帰りの車内では話すらしたくなかった。
降ろしたらサッサと排ガスふっかけて去った。

飲めないっておもしろくない。
飲んで誰かのお世話になる方へ回りたい。
言いたい放題言ってる方はストレス溜まらないんだろうね？

息子が叫ぶがごとく　飲み会は嫌いだ！

飲み会とは言え、節度がなくなって、全身イヤミ女。
いつものイヤミに拍車がかかっている。まったくもぅ！
おばさんってだんだん無神経になって、自分が全世界になるっぽい。
私もなのかな？