やっと人並みにDVDが見れる環境になって、やっとやっと観ることができた。
普通にレンタルショップの棚に並んでいた。一番高い所にあった。
背伸びして抜き、いそいそと借りて帰った。
田舎では映画が見れなかったから訳本をAmazon購入で読んだ。
映像はイメージしていたよりポップ。かろやか。
色がきれい。
イザベルの表情が愛くるしい。わりに軽症?
息子のイメージでアスペルガー当事者を見るから、ついついドナルドと息子をクロス。
あそこが同じ。ここが違う。
大人になると自制の方法を自ら編み出してパニックを回避している姿が切ない。
ドナルドにおいては数字であったり、もっと不安になると手をひらひら。
あれは息子もやっていた。
息子はドナルドの数字が合気道の杖か?
ブンブン狭い家で振り回して必死で自制していた。
もっと狭いマンスリーパレスではそれ叶わないから我が家に立てかけたまま。
今はどうして落ち着いているのだろう?
遊園地も高い揺れるは全部怖い。おんなじ、おんなじ。
子供の頃、息子が観覧車すらものすごい恐怖なのが分からなかった。
部屋の汚さはまったく同じ。
片づけると物が捨てられないしどこにあるかもっと分からなくなるから怒り出すのもおなじ。
住宅事情が日本と違う。賃金体制も随分と職種で開きがあるらしい。
大学にドナルドが職を求め住環境がガラリと変わる辺りの差で視覚から納得。
アスパルガーに対する精神医療体制も進んでいる感じ。
自助グループ内の一瞬即発の雰囲気がよく出ていたけれど、
同じ障害のある人たちの落ち着く居場所としてあれで機能しているのか、
当事者でないので私には分からなかった。
自助グループでの出会いが結婚へと結びついたふたり。
あって良かった自助グループだ。
普通であっても生まれ育った環境や考え方が違う二人の結婚生活は容易ではない。
どちらも我慢で折りあっている。なんとか添い遂げたり、離婚も昨今多い。
さかんに『普通』と言う言葉が出てきた。
自閉症同士で知能の高い低いをなにげに差をつける言葉を発したり、
上司には良い格好をして、普通の結婚生活を見せたがったり、
障害があっても、どこか普通にこだわる姿が出てきた。
これって『普通』の人にもある。
昨日、介護度認定の調査に付き合った。
間違いなく介護が必要で申請し、
調査員に来てもらっている本人の口から出る言葉は全部『出来る』。
人の介助が要ることは認めたくないし、知らない調査の人には良い格好がしたいのだ。
上司が来るとちょっとだけ良い格好をする同僚。
どこにもある形。
人が人を求める。孤独を深く感じる。
アスペルガーだから特別な感情を持っているわけでもなく、極めて普通である事がしっかりと伝わった。
うまく人と結び目が出来ないことが障害であるだけに、余計に辛さや問題を引き起こしている。
さらに深く深く一点に拘る性質が悩みの発散や展開に結びつかない。
苦しみが強くなる仕組み自らもっている。
長く続いて欲しい結婚生活が硝子細工のようで、
相手に巡り合う確立も関係を構築てきる確立も天文学的数値の二人のようで、
ホント月並みな言葉だけど美しい愛の形がここにある。
ついついドナルドを息子に置き換えて、涙が流れ吐息が洩れた。
大人になったら親から独立。新しい家庭を築く。極めて普通の願望だよね。