山尾三省の詩をもらってから
初めてランディさんの本を読んでみた。
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こだわりのない視点で世の事象をパッパッパと切ってなかなか面白い。
エッセイを読んでいるとこの人の原点は
酒乱の父と自殺した兄と言う実体験を元に書いた処女作にあるような気がして
続けて読んだ。
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兄の腐乱死体を目の前にしての心理描写など惹きつけられたけれど、
心理学の知識やらシャーマンやら精神分析の世界やら
正気と狂気が錯綜したり、
正常域の人間のトランス状態であって、精神病ではないとか
読みすすんで納得いかないコーナーへ読解力が落っこちた。
悩める男性を救うと言って
自らの女性器をコンセントと言う結末もどうなのよと言う感じ。
兄の死を真摯にとらえていた序から、
一気に小説が心理学知識のひけらかし通俗小説になってしまったような
つまらない感じを受けた。
息子がこの本ハードカバーを持っていると言っていた。
心理学を学ぼうとしている彼には惹かれるところもあったのかな?
親子で同じ性描写を読んだというのも、
なんとなしなんとなし落ち着きが悪い。こそばゆい。恥ずかしい。
続編の『アンテナ』『モザイク』を読まないと
『コンセント』の真意は分からないと
巻末のあとがき評にあった。
私の読みが浅いんだろう。きっと。きっと。
エッセイはいきいきと魅力的だった。
周りの思惑に頓着なしに
『私はこう思う』と言う揺るがない切り口は
その考えに賛同できるできないは別にして小気味良かった。
さて、アンテナとモザイク読もうかな?どうしようかな?