あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

暮しの夢がつまってる。

2009-09-10 23:32:37 | 本(写真集・ビジュアルブック)

ひっこしました ひっこしました
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2008-03-22

図書館で借りた本です。

杉浦さやかさんの本は元々好きだったんですけど、これは正直どうかなと思いつつ借りました。

ひとり暮らし経験のない筋金入りのパラサイトですし、引っ越しの予定もないし。

『ひっこしました』というタイトルからしてストレートで、それ以外の話題なさそう……と思ったのですが、赤が印象的なコラージュの表紙の可愛さに魅かれて手にとってしまいました。

ところが、面白かったのです。自分には関係のないテーマだと思っていたこの本が。

古い趣のある家が好きな著者が、築30年のテラスハウスに引っ越して、少しずつ自分好みの住まいにしていって、トラブルもありつつ楽しんで前進する、暮しづくりの奮闘記。

ちゃんとコンセプトを持った部屋作りがとにかく素敵だし、さすがイラストレーター、インテリアや小物がとっても可愛いんです。

乙女ちっく趣味はあまりない(だから少女時代もいまひとつ少女漫画にはまらなかった)私でも、ちょっと胸がキュンとする(笑)

庭のビアガーデンデッキや、壁いっぱいの本棚が羨ましい!でも、それまでのひとり暮らしの部屋もそれぞれに素敵だった。(ちょっと恥ずかしいけど)杉浦さんの青春の夢が詰まってる、って感じで自分も若かりし頃を思い出して懐かしくなりました。

ただ、古い風情のある物件は素敵だけど、大変なこともある、という部分にああそうなのね……と、ちょっとしみじみしてしまいました。(いや、少し憧れあったので)

でも、引っ越す予定が無い人も、“わたしの部屋づくり”の章など、結構参考になると思う。イラストや写真もたっぷりの、可愛いおススメ本です。

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ペンギンって、とくべつ。

2009-08-10 23:05:13 | 本(写真集・ビジュアルブック)

ペンギンのABC ペンギンのABC
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2007-07-14

8月の1日に、友達と会った時、彼女が見せてくれたのがこの本。

彼女とはいつも図書館で待ち合わせた後、同じ喫茶店でお喋りして、そのとき借りた本の何冊かを見せ合うのですが、カワイイ本は彼女のキャラになかった(失礼!)ので印象的だった。

かわいい鳥ってたくさんあるけど、ペンギンってちょっと特別な感じしませんか?

最近TVで、かわいいペンギンのヒナをみて、

「ペンギンって、ちょっと鳥じゃない感じするよね~。ちょっとケモノっぽいよね~」

という頭の悪そうな会話を母としたばかりだったし。

この本の中にベストを着たペンギンの写真があって、

『かわい~!でもペンギンに迷惑!』

と思ってしまったのですが、それはオイル漏れの被害で体に油がついてしまったペンギンが、油をついばむのを防ぐための処置だったのです!

ボランティア団体の皆様すみません……(>_<)

ちなみに、気になったページは、ペンギンの離婚率のところでした。

ペンギンって離婚するんだ……。ちょっとショックだなぁ。

ペンギンのペアは、おしどり夫婦(というのもヘンですが^_^;)のイメージだったので。

もっとも、おしどりより夫婦仲が良いのは、実はカラス、なのだそうです。

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同感!

2009-04-18 23:55:28 | 本(写真集・ビジュアルブック)

まいにち植物―ひみつの植物愛好家の一年 まいにち植物―ひみつの植物愛好家の一年
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2007-05

とにかくタイトル通り、植物について縦横無尽に書かれた、かわいい本。

エッセイもいいし、写真もきれいで楽しいのですが、私が強く共感したのは、植物に安易に変な名前(あるいは学名)をつけることへの怒りを書いた一文。

取り上げられていたのは胃袋に似てるからって、胃袋、という意味の学名をつけられた植物についてだったと思いますが(これも図書館で借りた本で、今手元にないので(^^ゞ)その怒りには全く同感!

春、土手や道端に咲く可憐な青い花に、“オオイヌノフグリ”などという身も蓋もない名前を付けたのは誰?!

花の名前を付ける際は、もう少し慎重になっていただきたいものです。

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センチメンタルなマヨネーズ

2009-04-13 23:40:59 | 本(写真集・ビジュアルブック)

アメリカン マヨネーズ ストーリーズ
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:1997-11

ロードムービー風、で思い出したけれど、もう十年以上も前、大好きだったCMがあった。

それがキューピーマヨネーズアメリカンのCM。ロングショットのアメリカの風景の映像と、さりげないナレーションだけ。

15秒のロードムービーみたいだった。

この本の内容がCMと一致しているのか、それとも雑誌などの広告用に書き下ろされたものかはもう時間が経ってしまって思い出せないけれど、この本もまた、とてもいいのだ。

本の体裁は横長の変型判で、右に写真、左に10行ほどの文章(字組さえもデザインの一部だ)というレイアウトになっている。

文中には、必ずマヨネーズが出てくる。マヨネーズの広告集なのだから当然だ。けれどそれでいて、掌編小説として成り立っている。

素敵な女性をダイナーで見かけ、コーヒーの飲み方で懐かしい相手だと分かる。なのに、“ペギーですか”と尋ねると“いいえ、わたしはマージ”と応えられ、なすすべもなく彼女がフィッシュチップスにマヨネーズをつけて食べるのを眺めていると、去り際彼女が、“こんにちわ、そしてさようなら、ジョニー。ことしの雪は深かったの”とだけ囁いていく一編。

長い手紙を書いたのに、目ざめた後その手紙は破ってしまい、レターペーパーに降り出した雨のしずくをつけて、“ケープコッドの雨です。いろいろありがとう。ジェーン”とだけ書く一編。

思えば、“20秒のあいだ、兄貴の墓が見えていた”とか“この土地では、風をマリアと呼ぶ”といった、タイトルさえそのままストーリーだ。

いま読み返しても、心をゆさぶられる。

本の叙情にも、ストイックなプロの部分にも。

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携帯の中のロードムービー

2009-04-13 22:43:53 | 本(写真集・ビジュアルブック)

ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 デジタルカメラ 撮影編 ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 デジタルカメラ 撮影編
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2006-11-30

これは図書館で借りた本。

私は写真が非常に下手で、また上手になるセンスも無さそうなんですけど、血迷って借りてしまった。(ちなみに血迷うことはよくある)

ナショナルジオグラフィックを一時購読していたことがあって(これも血迷って購読したんですけど(^^ゞ)写真の美しさはよく知っていたのと、プロの撮り方って、どういうものかなぁ、という単純な興味もあった。

デジカメを持っていないので、携帯カメラをマスターする、という章を中心に読みましたが、この章がエッセイとしてちゃんと成り立っていて、とても良かった。

なんで携帯カメラなんかで撮るんだ、との批判も受けながら、自分の故郷を経由する撮影旅行に赴くカメラマン。

画質があまり良くないことを逆手にとって、抒情ある写真を撮るところなんかさすがに舌を巻くし、故郷で懐かしい人に会ったり、ガス欠の危機に陥ったりというエピソードを読んでいると、実用書というより、ロードームービー風の小説を読んでいるような気になります。

“帰ろう。ニューヨークへ。そして妻のところへ”という結びに、自分も旅を終えてなじんだ場所に帰るような気持ちになった一章でした。

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