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アナログの表示も出なくなりスッキリ。画質もクリアで、母が“目に優しい気がする。見やすくなった”と言ったのも嬉しいことでした。
操作が難しいのでは、と思ったのですがリモコンは驚くほどシンプル。戸惑うことはなさそうでホッとしました。
新しいものはちょっと嬉しいもの。これからしばらく、楽しみたいな、と思っています。
(ブラウン管テレビが大量にゴミになっちゃうの?とか、地デジ化にはいろいろの問題がありますけどねぇ~。あと、お年寄りだけの世帯では、大変ではとも思いました)
バレンタインは過ぎてしまったけれど、チョコの話をもう少し。
まず前回の話の連想で、ポアロのチョコレートのこと。
アガサ・クリスティーの探偵小説のメジャー主人公、エルキュール・ポアロは、グルメで、甘いものも好きなようです。
どの小説だったかは忘れてしまいましたが、ポアロがチョコをナイフで削って、熱いミルクに落とし込んでホットチョコレートを作っていて、美味しそう!と思ったことがあります。
最近では、『食堂かたつむり』の文庫版の最後にあるサイド・ストーリーにでてくる、ホットチョコレートに魅かれました。
そうして、昨日何気なく見たテレビ番組に、チョコレートづくしのディナーが出てきて、その楽しさにちょっとときめいてしまった。
『スタイルup』という番組ですが、その中でもいくつかのテーマがあるみたいで、以前観たときはファッションチェックのような内容でしたが、今回は“毎日がイタリアン”というタイトルで、料理がテーマでした。
美人料理研究家(?)がなめらかに話しながらどんどんチョコレートメニューを作っていくのですけれど、デザートはもちろん、軽食、カクテルまであり、そのままホームパーティにつながるのです。
ブリーチーズとチョコチップを組み合わせるパニーニ(イタリア風ホットサンド?)は新鮮だったし、ジャンドゥーヤのチョコスフレはふんわり、とろとろでいかにもおいしそう!チョコレート風味のベリーニのカクテルは、酒好きとしてはとっても気になりました。
そして、とくに感心したのはお土産です。溶かしたチョコをすくったスプーンをビニール袋に入れ、リボンで結んで冷蔵庫で冷やしておきます。
それをホームパーティーの参加者にお渡しして翌朝の朝食の時コーヒーをかき混ぜるのに使ってもらい「今日のパーティを思い出してほしい」というのですね。
楽しい思い出を持ち帰ってもらって、それをリフレインする、って発想なかったなー、と思って、おもてなしの心にちょっと感動しました。
チョコ尽くしのディナーに、美人料理家がお客に向かって言う「チョコが嫌いだったらもう帰るしかないわよ」というジョーク(?)にはちょっと笑ってしまった。
思いもかけない料理もありましたが、いかにも楽しく、ちょっとやってみたいと思ったのでした。
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スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 価格:¥ 777(税込) 発売日:2003-10 |
昨日私は仕事がお休みでしたので、一昨日同僚にメリーのストロベリーチョコを持って行きました。
それでふと、思い出したのですけれど、メリーカンパニーのメリーの綴りはMaryですよね。
以前先輩が「マリー」と言って、一緒にいた相手に「メリー」と言い直されて恥ずかしがっていましたが、私その時ふと、でも、Maryはメリーと読んでも、マリーでも、あるいはメアリーでも、間違いではないよな、と思ったのです。
(どっちが実際の発音に近い、というのはあるでしょうが、英語の発音をカタカナ表記するのは限界がありますから)
そしてそれで、連想したのがこの本です。印象的な女性登場人物に、Maryという人がいたから。
今は翻訳が変わっているようですが、私が読んだときは、田村隆一氏の訳でした。Maryは、メリィ、と表記していたように思います。
この作品、数人女性が登場するのですが、私の記憶だと、シシィ、とか、やたら小さいイがつく名前が多かったように思います。
最初は紛らわしくて、なぜ、この人だけでもマリーかメアリーにしなかったのかと思ったものです。
でも、考えてみれば詩人である田村氏が一文でもおろそかにするはずはなく、まして名前の表記は、そうでなくてはならない理由があるはずだと思いなおしました。
そうして、本が手元にないのであいまいですが、その女性は富豪夫人で、一見淑やかな美女なのですが、“その瞳には野生のきらめきがあった。”というような表現があったと思います。
私のイメージではメアリーは平凡な女性、マリー、はちょっとお嬢様を連想させます。そしてメリーは、ジョン・フォードの西部劇に出てくる酒場の女性のような、ちょっと伝法な感じ。
それが、メリィ、と小さなイがつくと、すこしセクシーなニュアンスというか、仄かな色っぽさを感じさせるように思います。
名前を口ずさんでいるうち、楚々として控え目でありながら、その目の中に野生のきらめきを持つ女は、やはりメリィでなければならない、という気がしました。
小さな違いですが、不思議です。そのことでその時の鮮烈な印象は、いまも胸にあるのです。