あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

のすたるじあ・しぇいくすぴあ その2

2009-09-06 23:19:05 | アート・文化

ザ・シェークスピア―全戯曲(全原文+全訳)全一冊 ザ・シェークスピア―全戯曲(全原文+全訳)全一冊
価格:¥ 4,200(税込)
発売日:2007-03

小学校の時、“言葉の響きがなんかカッコイイ!”と思ったシェイクスピア作品に、再度魅かれたのは中学の時でした。

まず、劇場中継の番組で、『オセロー』の舞台を観たのです。

有名作品ですから説明はいらないかも……と思いますが、ムーア人の将軍オセローが、邪な部下イアゴーの嘘を信じ、愛妻が不倫していると思い込んでその手で殺してしまう、という悲劇ですね。

その悲劇の妻デスデモーナを演じたのは、歌舞伎の女形坂東玉三郎氏でした。中学生の目には、美しいけれどエキセントリックな感じに映りました。

でも、デスデモーナが死の直前に歌う“柳の歌”の悲しげなメロディが耳に残って、さっそく文庫本を買ったものです。

そのすぐ後、BBCのシェイクスピア劇場もテレビ放映されて、なんとなくシェイクスピア作品がミーハー的に好きになっちゃったのです。(この放送で印象に残っているのは『ハムレット』ですね。オフィーリアの女優さんの正気と狂気の落差がすごかったので)

上記のムック本を買ったのは二十歳ぐらいだったでしょうか。小田島雄志氏の訳も大好きですが、この坪内逍遥訳もすごく好きで。

ただ、ジュリエットに“おおロミオ、なぜおまえはロミオじゃ”とかオフィーリアに“これは三色菫、ものを思えというぞや”とか言われると、どうしても脳内劇場では洋装でなく、姫君は十二単、貴公子は狩衣のイメージになってしまうのは私だけでしょうか(^_^;)

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のすたるじあ・しぇいくすぴあ その1

2009-09-05 22:35:43 | アート・文化

サイボーグ009 (1) (秋田文庫) サイボーグ009 (1) (秋田文庫)
価格:¥ 590(税込)
発売日:1994-07

今日は休みだったので図書館に行ってきました。

雑誌も貸出してくれる図書館なので、『サライ』の“シェイクスピア入門”の特集がある号を借りてみました。

結構好きなのです、シェイクスピア(#^.^#)

とくに詳しいわけではなく、ミーハー的スタンスですが。

しかも、私のシェイクスピアとの出会いは、石ノ森章太郎氏の『サイボーグ009』でした。

小学校の教室に、学級文庫の本棚がありましたが、たしか4年生の時この本が置かれていました。(学校に漫画を持ってくるのはNGでしたが、学級文庫にはOKだったのです)

みんなの一番人気は楳図かずお氏の漫画でしたが、私は今も昔も小心者で表紙さえ開けず、そのかわりこの『サイボーグ009』に夢中になりました。

この物語は00ナンバーをつけた9人のサイボーグが中心となりますが、そのうちのたしか007だったと思うのですが、もと売れないシェイクスピア役者、というキャラクターがいました。

そして、彼が作中で暗唱するのです。シェイクスピアの『シンベリン』の一節を。

“もはや、太陽の灼熱をおそれるな、冬の荒れ狂う嵐もおそれるな”……というような出だしだったと思うのですが。当時は引用された一節全部私も暗唱できたのですが、今はダメです。(小学生の集中力ってスゴイな^_^;)

でも、その哀感のある響きに少女の私はやられてしまい、シェイクスピアの戯曲に興味をもつきっかけになったのでした。

(ちなみに、『北欧神話《エッダ》』との出会いも『009』でした。他にもそういう方、いないのでしょうか……)

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すきとおったもの。

2009-06-14 00:10:59 | アート・文化

吉原幸子詩集 (現代詩文庫 第 1期56)
価格:¥ 1,223(税込)
発売日:1973-09

土曜の夜はよく、『美の巨人たち』を観るのですが、今日はガラスのアートだったので、殊に楽しみにして観ました。

ガラス、子どもの頃から好きなのです。

小学生の時集めたガラス石(割れたガラスが、水に削られたり熱で溶けたりして滑らかになったもの)からはじまって、ビーズのアクセサリー作りは、小学校高学年と、数年前と、2回のマイブームがありました。

グラスのような実用性のあるものから、アクセサリーまで何でも好き。

自分にはガラスのアクセサリーが合っているのではないか、という思い込みもあったし。

ダイヤやルビーのようなハイジュエリーは、美しい人か、自分でそれを手に入れられる胆力のある人のみが似合うんじゃないか、と思っていたので。

けれど、画面で見ても藤田喬平のガラスの飾筥は静謐な迫力に満ちて、何を入れる、と問われて作者が、“夢を入れなさい”と言ったというのも頷ける、ちょっとやそっとのものは入れられない品格がありました。

そういえば、ガラスでも、バカラやラリックのアクセサリーは、宝石に負けない気品があるものなぁ、と思って、少し反省。

そうして、少女の頃、吉原幸子の、“すきとおったものがすき”という詩におおいに共感したことを思い出しました。

元々は、雨のしずくや草の上の露のような、透き通ったものに対する素朴な憧れだったのだ、とも、思い返したのでした。

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美しい朝

2009-03-17 17:51:47 | アート・文化

サウンド・オブ・ミュージック 製作40周年記念版 (ファミリー・バージョン) [DVD] サウンド・オブ・ミュージック 製作40周年記念版 (ファミリー・バージョン) [DVD]
価格:¥ 2,990(税込)
発売日:2008-04-18
先日、友人が参加した市民ミュージカルを観に行ってきました。

いつも一緒に行く友達二人と、花束を買うのが恒例なのですが、お花屋さんで「ブーケタイプにしますか、それとも背の高いタイプにしますか」と聞かれました。

会場の時間が迫っていたので早く決めなければならないけれど、さてどうしよう、と迷っていると、友達がすかさず口を挟みました。

「ブーケタイプでお願いします。アイツ、どうせ花嫁になれないんだから、花束くらいブーケにしようよ」

おいおい。私たちも嫁き遅れ仲間なんですけどね。

店員さんは笑っていました。

ミュージカルは『サウンド・オブ・ミュージック』を下敷きにした(っていうか実話をもとにしているから別角度の話か)ものだったので、懐かしいセリフがありました。

“神様が扉を閉めた時は、必ず別の窓を開けておいてくださる”というもの。

ああ、中学の頃、気に入った洋画のセリフをノートに書き留めたよなぁ、としみじみしてしまった。

他にも、たしか『エアポート‘75』ではなかったかと思うけれど、老いた大女優(実際大物女優が演じていた)の言葉は、今も印象に残っています。

原語は、“エブリモーニング・イズ・ビューティフル”しか覚えてなくて、後に若いうちはそれが分からないのだ、というような意味が続いたと思いましたが、字幕はこうでした。

“人生の美しさは、若い人には分からないわ”

中学生(映画公開時にはもっと幼いですよ。念のため)の私は、今自分はその“若い人”だけれど、この言葉がわかる日が来るだろうか、と思いました。

でも今は、そろそろ分かる年齢に差し掛かったなぁ、と思うようになった。

舞台の上で、やはり朝の美しさが分かる年齢になった友人は、素敵に輝いていました。

コメント (4)
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