日記も気ままに

JULIEというフィクション、澤田研二というノンフィクション。
フィクションには裏打ちされたノンフィクションがある。

小川 糸 「ツバキ文具店」

2018-12-16 | 【あ】行
2016年4月20日 第一刷

装幀…名久井直子 装画…しゅんしゅん 手紙…菅谷恵子

幻冬舎



          


なんでか、、小川糸さんって、読み始めてはやめてを繰り返してた作家さんですが、
「文具店」という設定が好み。ということで借りてきた。
文具の売り買いとかエピソードがメインの話ではなくて、代書屋さんのドラマ。

主人公の鳩子は、祖母である先代に代書屋としての技術、心構えなどを徹底して教え込まれるが、
それに反抗して家を出る。
まっ、これは思春期だしね。

その後、先代が亡くなってから鎌倉に戻ってくる。
借金依頼を断る手紙。離婚報告をする手紙。姑に送る手紙。などなどの依頼を受け、
徐々に代書屋としての自分を見つけ、そんな中で出会った人たちや鎌倉の風景とかかわりながら、
祖母へのかたくなな気持ちがとかされていく。

そのときにはもう、、祖母はいない、、という切なさ、、、

依頼者を丁寧に思いやり、便箋を、封筒を、筆記具を字体をその状況によって選び、
一文一文を依頼者に成り代わり書いていく。
依頼者に気持ちを入れ込むところは、物語だな、、と思う反面、
私自身の物事に対する粗雑さが再認識されてしまったわww

代書屋さんと言えば、昔昔、字が書けない人の代わりに手紙を書く人とか
今なら行政書士とかって職業があるけれど、
今、鳩子のような仕事をしている人が実際にいるのか、、?

字は書けるけど、、私のように悪筆だったり、思いが十分に書けない、、
なんていうときにいてくれるといいのかな、、

私なんぞは日々、パソコンで打ち出した文字のフォントや強弱、
あるいは絵文字などに助けられて、文章べたを補助してもらってる。
もしかしたら、パソコンは私の代書屋かww

では、私らしい気持ち(怒ったり泣いたり笑ったり)のあらわれた文字ってどんなんだろう、、、

この物語、良い人ばかりが出てくるし、大きな事件が起きるわけではないけれど、
じんわり入ってきて、鎌倉というところへも一度行ってみたくなるお話でした。

そうそう、知らないペンや紙の名前が出て来て、面白かった。これは一度調べて見なくては。
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