Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 37

2020年04月10日 | ダマスクローズをさがして — Ⅰ

以下に、薔薇に関する直接の知見が続きます。数回に分けてご紹介することになります。

            

         chaplet flowers; https://www.pinterest.jp/pin/857935797743469581/ から

Naturalis Historia X.  『私たちの国では、庭に咲く薔薇とバイオレットの花で花飾りを作ります。薔薇は荊のように背は低くはないけれど、木苺や野ばらが生えている場所にも姿を現し、微かな香りを放っています。最初は萼片に包まれていた蕾も膨らむとやがて香水箱が開くよう裂けて花は緑色の萼に挟まれ、次第に赤く色づきます。花飾りは数少ない薔薇の花の使い道です。オイル漬けはトロイ戦争の時代から知られた方法で、今では軟膏として利用しています。弱い刺激性があることで貼り薬や眼軟膏として使うことも、また珍しいたべものとして、害がないので特別のごちそうをその花びらで包むという使い方をします。』

              

 

Naturalis Historia X. つづき。

『私たちの国で最も名の知れた薔薇はプレネステ※1(Praeneste ; 赤い地点)のものとカンパニア※2(Campania;緑の地点)のものです。花びらの数は12を超えることはないですが、鮮やかな燃えるような色のミトレス※3の薔薇(Milesian rose)を推す人もいます。』

※1 プレネステは古い呼称Praeneste、現在はパレストリーナ;Palestrina。

プレネステには紀元前8世紀から7世紀にすでに集落があり、カルタゴ産と考えられるフェニキア様式の銀杯、金と琥珀の装飾品、エトルリア様式の青銅細工、象牙細工が墓地から出土しています。紀元前250年頃からの墓地からはエトルリア文字の刻まれた手鏡などが出土しています。また出土品から、ギリシャ人とも交易があったことが伺われます。

           

   Sanctuary of Fortuna Primigenia Ruins of the Sanctuary of Fortuna Primigenia at Praeneste, Italy.Zanner  ttps://www.britannica.com/place/Praeneste から

ローマ帝国の下、、アウグストゥス、ハドリアヌス(第14代ローマ皇帝76/1/24-138/7/10)、この本を書いたプリニウスの甥らが過ごした夏の避暑地として名高い地です。絵はそれを示す遺跡の一部分。

 

ガリア人の侵攻(紀元前390年)の後、ローマと多くの戦いを繰り広げ、二度目のラテン戦争(340〜338)でついに敗北。領土の一部を失い、ローマの同盟国となりました。 紀元前90年後、ローマ市民権を取得し、ローマの自治体になりました。

※2 カンパニア州( Campania)は、イタリア共和国南部のティレニア海沿岸にある州で州都はナポリ。

※3 ミトレスBorrowed from Middle French Milesien, and its source Latin Mīlēsius, from Ancient Greek Μιλήσιος (Milḗsios). 古代エーゲ海に面したアナトリア半島にあるイオニア人の都市国家。