Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 67

2020年06月10日 | ダマスクローズをさがして — Ⅱ

    

※5乳香 フランキンセンス Frsnkincenseムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂)。 https://www.amazon.co.jp/ フランキンセンス-Frsnkincense-、説明はWikiから引用させていただきました。

水蒸気蒸留で得た精油は、食品や飲料に香料として、又、香水にも利用され、シトラス系、インセンス様、オリエンタル系、フローラル系など様々な香水に使われています。精油には強い刺激作用があり、産地や抽出法で成分が異なります。精油の香りには興奮作用が、樹脂を燃やした香りにはリラックス効果が見られ、強力な抗菌活性をもっています。又、漢方薬として、鎮痛、止血、筋肉の攣縮攣急の緩和を目的として使います。流通している南アラビア地域では、唾液分泌の促進やリラクゼーションのために乳香樹脂をガムのように噛むことがあります。

オマーン、イエメンなどのアラビア半島南部、ソマリア、エチオピア、ケニア、エジプトなどの東アフリカ、インドに自生しています。これらの樹皮に傷をつけると樹脂が分泌され、空気に触れて固化。1-2週間かけて乳白色~橙色の涙滴状の塊となったものを採集します。樹木は栽培して増やすことが困難で、かつては同じ重さの金と取引されたこともあります。良質の商業的な生産は主にオマーンで行なわれています。

乳香は紀元前40世紀にはエジプトの墳墓から埋葬品として発掘されており、古代エジプトでは神に捧げる神聖な香として用いられていました。同様の行為は古代のユダヤ人にも受け継がれており、聖書にも記述があります。イエス・キリストが生まれた時の東方の三博士の贈り物の中に乳香、没薬、黄金があります。

日本にも10世紀には薫香の記述があり、シルクロードを通じて伝来したと考えられています。正教会では、古代から現代に至るまで奉神礼で香炉で乳香を焚く振り香炉に乳香が用いられます。『煙とともに我が願いが天に届きますように。』との願いを込めて。

               https://purpletugboat.tumblr.com/post/107436086583

香水などに使われるようなったのは16世紀に入ってからで、乳香を水蒸気蒸留した精油や溶剤抽出物であるアブソリュートがこの用途に用いられるようになりました。

  ※6 ニオイスミレ https://ja.wikipedia.org/wiki/ :Viola_odorata_Garden_060402Aw.jpg Viola odorata( 別名、wood violet, sweet violet, English violet, common violet, florist's violet, garden violet

バラと同じく香水の原料花として、古くから栽培されてきました。種子や根茎に神経毒ビオリンの他、サポニン、ビオラルチン、グリコサイドが含まれ、嘔吐や神経マヒ、心臓麻痺を発症することがあります。しかし、薬草として古来よりヨーロッパでは咳止めや消炎剤、目薬として利用されてきました。古代ギリシャでは花に含まれる鎮静作用を利用し、怒りを鎮めたり就寝時に使用しました。

※7 ルーアフザ Ruh-Afza

Ayeen Akbery: Or, The Institutes of the Emperor Akber, vol. 1によると;

『Ruh-afzaとは、香炉の中に燻べる固形香料。カシミール産のアロエ木5セール(1seer : 933g)、サンダルウッド1セール、ラウダナム(重量で約10%のアヘン粉末を含むアヘンチンキ)1/4セール、Akyfir1/4セール、乳香3 1/2トウラ(1tola : 11.7g)を含む。』とありました。

『得も言われぬ香り、回春 (ruh afza) の琥珀色の雲が金色と銀色の香炉から漂い流れ出ていく。』この一節はサイード・イムティアズ・アリ・タージ(Sayyid Imtiyāz ʿAlī Tāj 1900–1970、インド劇作家) が書いたウルドゥーの歴史劇「アナリカリ139」※8の中の一説ですが、劇の雰囲気をよく描写していると言われています。ジャハーンギールは若いころから飲酒癖があり、アヘン中毒であったこともこれで納得できます。

すでにイングランドのインド植民地化攻略が始まっていたことを窺わせる内容でもあります。

※8 アナリカリ( Anarkali、ウルドゥー語で انارکلی )

伝説によると、アナカリ(意味:ザクロの花)は、ナディラベグムまたはシャリフウンニッサが付けた名前で、アクバル王の妻または側室でした。

ある日、アクバル王は座って、手に鏡を持ってターバンを並べていました。アナルカリは彼のそばに立っていました。突然、サリム王子(ジャハーンギールの幼名)が部屋に入り、アナルカリに微笑んだ。彼女は挨拶を返しました。彼の鏡の中に(またはシシマハルの壁にある鏡、またはホールの鏡で)二人の間を通り過ぎるのを見たアクバルは、怒りで立ち上がり、アナルカリを生きたまま埋めるように命じました。

アクバルの死後、サリム王子が王になったとき、彼は彼女の遺骸をラホールに葬りその上に墓を建てました。

別の物語では、アナルカリはアクバルの首長の妻のメイドの召使いでした。サリムは彼女と結婚したかったが、アクバルはこの結婚に反対した。アナルカリがサリムへの愛情を捨てるというアクバルの命令を拒否したので、アクバルは生きたまま彼女をラホールに埋葬したのです。

アナルカリの存在を歴史的に証明するものはありませんが、映画、本、歴史の中に彼女はよく登場します。

お話は変わりますが、アナルカリ サルワール(Anarkali Shalwar)は、現在パキスタンにあるラホール発の女性用ドレスです。アナルカリスーツは、シャツを意味するカミーズとパンツからなっていて、いくつかのバリエーションがあります。ゆったりとしたサルワール、膝辺りから足首までがタイトになっているチューリーダール、裾がラッパ状に広がったベルボトム、全体的に下半身にピッタリフィットするスキニーパンツ等がポピュラーです。サルワールとチューリーダールはウエストが1m以上あって、腰紐をきつく縛って履きこなします。

アナルカリの名前は、ムガル帝国の皇帝アクバルの宮廷での遊女である架空のアナルカリに由来しています。伝説の上では、彼女はサリム皇太子との不法な関係のために殺害されたのですが、アナルカリという言葉は文字通り「ザクロの花、木の繊細な芽」を意味し、アナルカリを着用した女性に関連する柔らかさ、脆弱性、無垢、および美しさを示唆しています。

           

Anarkali suit アナルカリスーツ https://www.indiamart.com/proddetail/anarkali-style-hit-design-21266824891.html