Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 110

2020年09月04日 | ダマスクローズをさがして ― Ⅲ

ジョン リンドリー(John Lindley )が指摘していた最後の、R. sambucinaを取り上げます。ここから、いよいよと言いますか、日本の薔薇を扱うことになります。

野生のバラは北半球にのみにおよそ150種あります。その内、日本に自生している薔薇はアズマイバラ、オオタカネバラ、カカヤンバラ、カラフトイバラ、サンショウバラ、タカネバラ、ツクシイバラ、テリハノイバラ、ナニワイバラ、ニオイイバラ、ノイバラ、ハマナシ、フジイバラ、ミヤコイバラ、モリイバラ、ヤブイバラ、ヤマイバラがあると言われています。この中には日本の原種、かつては原種といわれていたが今は他のグループに入っている薔薇、それに他の薔薇との交雑種が入っています。今は新しい手法が導入され分類学の変革期に入っています。薔薇の本を参考にしようとすると、何を指針にしたらいいのか迷うほどです。何かと異論はあるかと思いますが、ここではGBIFの分類をベースにお話を進めていこうと思います。

 

ロサ サンブキナ(Rosa sambucina Koidz)

Rosa sambucina Koidz.       (ヤマイバラ)

=Rosa sambucina var. pubescens Koidz.

(日本原産をvar. sambucina、台湾原産を var. pubescensとすることがあります)

 

山地の林、乾燥した場所に生える半蔓(つる)性の樹高1~2mの落葉低木

分布   本州(愛知県以西)、四国、九州、台湾

 

   

      

 

https://kikusahana.exblog.jp/24035766/

Rosa sambucina Koidz.の特徴

花      5弁,柱頭に毛が多く,雄しべは多数。花柱は有毛

花の大きさ  直径4~5㎝

花柄     長さ3〜5cm、軟毛と短い腺がある

花の色    白

香り     ダマスク系の甘い香り

葉      互生,奇数羽状複葉。葉身は長さ11~15㎝。小葉は2~3対,長さ5~10㎝。頂小葉は側小葉よりもやや大きい。両面とも無毛で,表面にはやや光沢がある。裏面はやや白い。先は鋭く尖り、縁には鋭い鋸歯がある。

托葉     幅が狭く、ほぼ全面が葉柄に合着し、縁には腺毛がまばらにある。

花期     5~6月

ローズヒップ 11月頃に直径約1㎝の扁球形の赤い実が熟す

刺      鉤型で,他の植物にのしかかるようにして,大きく成長する。

 

日本に自生する他の薔薇と比較して、すぐに判別出来るほど大きい、Rosa moschata J.Herrmに近いサイズの花を付けます。

           

               Rosa sambucina Koidz.の分布

※埼玉県・東京都・神奈川県では、季節や地域により指定カテゴリーが異なりますが、本システムでは埼玉県では全県のカテゴリー、東京都・神奈川県では最も危惧度の高いカテゴリーを表示しています。http://jpnrdb.com/search.php?mode=kind&q=06&pageID=8&t=f&cd=0603056&s=scd                                                                     

Rosa sambucina Koidzの自生地(日本、台湾)、西側はRosa moschata Herrmの自生地

 

Rosa sambucina Koidzはもとから日本と台湾に自生していた薔薇でしょうか。上の地図を見ていると色んな疑問が湧き出てきます。仮に、Rosa sambucina Koidzが運ばれてきた薔薇だったらという疑問です。何時? どうやって? 何故?