過日のブログでMT4がフリーズしてしまった事例について述べた。当然のことながら、ナビゲータのエキスパート欄も開けない状態であるから、エラーの原因を知ることもできない。パソコンを再起動しても、もはやそのMT4を立ち上げることはかなわなかった。その解決策については、当該ブログで詳しく紹介しているので参照願いたい。
それと前後して、今度は、EA(自動売買プログラム)が作動しないという報告を受ける事例が複数届いた。これは、筆者に起こったトラブルではなく、筆者が関係するメタジェニック社の顧客からの相談事例である。顧客とのやり取りから、EAが作動しない原因は要約すると、次のようなものであった。
① MT4にはEAの利用ができないものがある
近年、MT4採用のFX業者の中には、本邦業者との競争上そのスプレッドを極小化するところが出てきている。従前の通常スプレッドの口座ではEAの利用を許容するが、狭スプレッドの新講座ではEAの使用をできなくしている例が多い。海外業者の中には、ゼロスプレッドと称する口座を提供するところもあり、そのような場合にもEAの利用は禁止されているようだ。いずれの場合にも、事前に該当口座の取引条件を調査しておく必要がある。
② 最低取引ロット数の問題
オアンダ・ジャパン社が典型例であるが、東京サーバー口座ではスプレッドが通常口座より狭い反面、そこでの取引は最低取引ロットが1万通貨単位に制限されている。そのため、ドル円であれば1万ドル未満のロット数ではEAも作動しない。
③ CFD取引にも注意
海外のMT4口座を利用して商品や株価指数といったCFDをトレードされる方が多くなっている。②とも関連するが、CFDの取引条件は各社区々となっているので注意を要する。例えばNikkei225の場合、最低取引単位を1とするところがある。MT4では通貨ペアの場合、通常、1は10万通貨単位を意味するので、それに準じてダイアログボックスでロット数を0.1とか0.01と設定すると、これまたEAは作動しない。
④ その他
EAによっては利用者のアカウントを限定するものがあり、その場合、同じEAを他社の口座で利用しようとしても作動することはない。メタジェニック社では、顧客との暗黙の紳士協定によりEAは顧客ご本人のみが利用されることを前提にプログラム上そのような規制は設けていない。
思うに、低スプレッド口座ではEAが使えないということは、EAを使えば顧客にとってはよりトレードが有利に働くということの裏返しではないか。