元敏腕ディーラー水上紀行氏が唱えられるブレークアウト手法『ボリンジャー・ファイブ』のEA化に挑戦を続けてきたが、ようやく最終バージョンにまでこぎつけた。
最初のバージョンは、水上氏のセミナーとその書籍で公開された手法そのままの仕様となった。ボリンジャーバンド収縮の判定を目視に頼った結果、仕上がったEAはスクリプトに近いシンプルなプログラムとなった。その後もフルオートのEA化への試行を重ねてきたが、その道程は厳しかった。理由は今から振り返ると、プロの裁量取引手法はプログラムの論理式にはなかなかなじまないところがあったからである。
手法の重要な仮説は、「BB5のバンド幅収縮時にBB5σ2の外側に売り買い20ピップスの逆指値注文を出しておいて、バンド幅拡大時に順張りで待ち受ける」というものであるが、収縮時の判定と20ピップスの妥当性が問題になる。
① 収縮時の判定
収縮の判定であるが、候補となるインディケータとしてATR、標準偏差、ADXがフィルターとして考えられる。その中では、ADXが汎用性において優れていたので、前バージョンではこれを採用した。
② 20ピップスの妥当性
水上講師は、全通貨ペア共通にσ±20ピップスとされているが、これは明らかに不合理である。日中価格高低差(ATR)が200ピップスもある通貨ペアと50ピップス前後の通貨ペアを同列に扱うことはできない。
③ プロの持つ動物的反射行動
そのほか、プロの行動は論理式にはなじまないところがある。例えば、「相場を見ていて、危ういとみれば早々に利確、損切をする」とされるが、EA化にはこれをも論理式に加えなければならない。
何百回と過去検証を繰り返し、ようやく自信の持てるEA化に漕ぎつけた。
採用したインディケータ
① BB5 σ±2(変わらず)② MACD(12,26,9)③ BreakPips(20ピップスに相当するもの)は通貨ペアによりパラメータで可変とした ④ プロの動物的反射神経に相当するところは、浅めのトレーリングストップによってカバーすることができた。
以下に、GBPUSD、GBPJPY、USDJPYのバックテスト(2019年1月1日~10月31日まで、いずれも4時間足)
(注)
MetaGenicFX社の確認後、上記バージョンは公開の予定です。既に旧版ご利用各位にはメールに添付して無償にてお届けするとのことです。
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