西山講師の順張り手法はこのブログでも再三取り上げてきた。また、講師開発のボリンジャーバンド、ADX、及び標準偏差(StdDev)による特別仕様チャートもMT4にてそのまま再現することもできた。(下図)
チャートを見ると手法はいとも単純で、チャートの下2段のインジの赤と濃い青が重なれば買い、黄色と濃い青が重なれば売りの注文を入れれば裁量取引の目的は完了したのも同然、後はエントリーと同時にボリンジャーバンドσ±1の内側に手仕舞い注文を入れておくだけで済む。そうすることにより、トロール漁法のように利益を一網打尽根こそぎさらいとることができるとは、氏の持論であった。
しかし、実際取引を始めると数々の困難に遭遇する。講師は4時間以下のデイトレードにも本手法を活用することを推奨される。専業でもない限り、チャートを常時ウオッチするのは難しいし、手仕舞い注文も将来のインジの動きを予測して入れざるを得ず、結局アバウトなものとならざるを得ない。
しからば、自動売買(EA)の出番であろう。筆者の提携するMetaGenicFX社でも、本件自動売買ソフトを公開している。講師の手法をほぼ全て採用したEAではあるが、唯一プログラムに盛り込めない条件があった。それは、「ADXと標準偏差が相当低い位置から上昇している」というものである。目で見て裁量でこの辺りかなと判断して注文を入れる要素をプログラムに組み込むには相当な割り切りが必要である。何か妙案はないかと思案を重ねた末、ようやく次のような考えに思い至った。
代案の概要
① エントリーの第1条件
2本前までの足では、ADXとStdDevの一方または全部が右肩下がりであったが、1本前の足(直前の足)ではADXとStdDevの両方が右肩上がりに転換した。
② エントリーの第2条件
上記①の条件のもと、直前の足の終値がボリンジャーバンドσ+1を上回れば買いのシグナル発生、反対にσ—1を下回れば売りのシグナル発生、
第1条件と第2条件が満足された場合は、次の足(最新の足)の始値で買い、又は売りの注文を出す。
③ エントリーの第3条件
エントリーをした足の次の足でADXとStdDevの両方が、なおも右肩上がりである場合は、買いまたは売りの追加注文
西山講師のいう「相当低い位置からADXとStdDevがともに上昇する」とのテーゼを「トレンドの勢いが相当強く今後もその流れが続行する」と読み替えたものである。2本続けてADXとStdDevが上昇を続けるという事実は、発生したトレンドの強さは相当なものと判定して良さそうだ。バックテストの結果は大変満足のいくもので、講師の秘密に迫る方程式をようやく発見したとの思いである。
そうとなれば、既に公開済みのオリジナルEAは速やかに改訂・再公開の必要がある。オリジナルでは発注は1回限りとする保守的なものであった。利用者の中には、なお保守的な手法を好まれる向きもあろう。その場合は、第2の注文はゼロ(0)としておくか、または2回に分割発注すればよいだけのことである。
MetaGenicFX社では、オリジナルEAの全面改訂を検討しており、近々改訂版による再公開が予定されている。既に同EAを購入済みの方には、順次改訂版EA TrendBlazer_MT4.ex4をメールにてお届けする予定とのことである。しばらくお待ちいただきたい。(以下は年初から4月末までの4時間足のバックテスト例)
GBPCHF
EURUSD
GBPUSD
ところで、「相当低い位置からADXとStdDevがともに上昇する」ということなので、文字通り設定した数値以下の時のみエントリーするというプログラムにして頂くことはできないでしょうか。ADXや標準偏差ボラティリティが高い時は、トレンドレスになりやすいと西山さんも仰っていたので、検証したいと思っています。宜しくお願い致します。
エントリーもエグジットもきっちり約定してくれるので、大助かりです。MT4非採用のFX会社でも裁量取引を行っているのですが、付録のインジが大活躍しています。