前項では、及川氏の技量がその卓越した相場判断力と事前準備、加えてチャート・テクニカルに裏打ちされていることを知った。天性の事務処理能力や経験から得たメンタルの強さも常人には太刀打ちできない。彼のレベルに少しでも近づく方法を考えてみたい。
① テクニカル分析
一番簡単にできることは、テクニカルを真似すること。氏がチャート上に表示させているテクニカル(インジケータ)は全部利用することにしよう。これらはいずれもMT4チャート上で再現することができる。
② 事前準備
及川氏のチャートには過去のキーとなる高値と安値に横線が引いてある。これは氏の事前準備の基本的な部分でもある。これらラインはレンジ相場では逆張りに使われたり、相場転換時には順張りのブレークアウトにも利用されたりもする。これも一般のFXトレーダーにとっては素直に受け入れることができるし、慣れれば比較的簡単に習得することができる。
③ トレード最適通貨ペアの選択
及川氏はこの作業をものの数分以内にやってのける。これは並大抵の能力ではない。何しろ勝率70%の確率の決め手となる判断となるからには、なんとしても氏のレベルに迫るしかない。それには、左脳のみならず右脳を働かせなくてはならない。つまり通貨相互間の強弱の可視化である。このため、2個のMT4インジケータを準備した。一つは、Daily OPSと名付けたインジでMT4にサブチャート表示すると下図のように表示される。(拡大表示)
1日のマーケット朝7時に「用意ドン!」で開始した主要8通貨の強弱関係が一目で判定することができる。ユーロドルの画面に表示されているので、ユーロとドルの線がハイライトされる。これで最適通貨ペアを見破るという難解なパズルを比較的容易に解くことが可能だ。二つ目はチャート左上にある通貨のレンガ状ブロック表記のインジでHeatMapModokiと言い、副次的に応用する。例ではインジは一時間前(時間は自由に設定)の各通貨と現在の時間でその強弱関係がどのようになっているかが判断できる。上のレンガ強く、下のレンガは弱い。相対評価でその位置は刻々と変わる。元々Oanda社でHeatMapとして開発されたものあるが、インジは同社でのみ利用可能であったために、第三者がMT4用に一般利用のために開発・公開されているものである。
④ 注文方法の機動性
及川氏の発注・決済の明細を拝見すると、そのほとんどが成行きエントリー、成行きの手仕舞いとなっている。これもプロトレーダーのエントリーとエグジットの特徴で、すさまじい即断力と精神力のタフさを示している。少なくともトレードをしている20分間は片時も複数通貨ペア間のテクニカルやポジション状況を把握していなければならない。これは、われわれ常人には到底及ばない。それを解決する方法は、MT4の機動力に頼るしかない。事前準備として高値と安値に横線を用意する段階で、売り買いの予約注文を入れておくことである。例えば、アジア市場ではレンジ相場に終始している場合には、欧州時間に入ると相場に変化がみられる。そこでEAとしてDual OCO_EAを用意した。高値をブレークした場合の逆指値買い注文と安値をブレークした場合の逆指値売り注文等を設定する。注文には売り買いともに利確・損切り値をピップスで設定することができる。試作品の設定画面(Entry Type 1)は下記となる。
設定画面のEntry Typeを選択することにより、及川氏の引くあらゆるキーポイント場面に事前に対応することができる。その場に至って慌てふためいたり、チャンスを取り逃がしたりする恐れはない。氏の発する注文をあらかじめ待機させておくのであるから、速断を要する成り行き注文の数を相当数減少させることができる。EAは上下2本の注文に対応しているが、片方の価格の数値を0(ゼロ)とすれば、他方のみのIFO注文(IFDOCO)となる。
④ その他諸インジケータ
及川氏の採用されている自動のオーダーパネル(成り行き注文)や各ポジションの損益状態をピップスで画面表示するインジも別途用意した。また特製のスーパーシグナル(赤と青の矢印)も用意した。レンジ相場その他逆張り場面では効果を発する。
⑤ 事務能力の向上とタフなマインド作り
これだけは持って生まれた天性でもあり、及川氏の域に達することは稀有であろう。これらは日々のトレードや真剣なデモでの鍛錬を通じてのみ向上することはあり得る。最初から100万ドル単位でのトレードは厳禁。個人的には、海外口座利用でロット1から始めるのが妥当と考えている。
仕事仲間には、来週いっぱい使ってもらいファインチューニングを終えた段階で公開としたい。ご意見はコメント欄にお寄せいただければ幸甚。
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