年頭のブログで、ヘッジ型マーチンゲールの開発を誓いました。しかも、2個のEAを作動させるような複雑なアルゴリズムではなく一つのEAとして独立した形に纏め上げるとの決意も述べました。約2週間奮闘の結果、ようやく世の中に出して恥ずかしくない作品となり、お披露目の日取りも近づいています。
一、開発の条件
① 超安全EAであること。そのために、ヘッジ機能とトレイリングストップを駆使して、マーチンゲールの持つ含み損益の大部分をヘッジの実現益でカバーすることとする。
② マーチンゲールのステップは6 Stepsまで、最初のロットを$1,000.00とすると最大注文ロットは2の6乗まで、即ち$32,000.00に止める。
③ 通貨ペアは1日の価格変動幅が比較的安定している主要通貨ペアとする。クロス通貨ペアは避け、ドルストレート通貨ペアに限定する。
③ 安全性は、マーチンゲールの注文間隔(ピップス)も大きなファクターとなるため、例えばEURUSDやGBPUSDでは100 pips間隔とする。一方、変動幅が小さいUSDJPYやAUDUSDでは80 pipsとする。100 pips間隔がどのようなものかというと、それは取引中相場が一挙に500 pips暴騰、暴落するというマグニチュードであり、昨年10月1日から本年1月12日までの全チックバックテストでは、上記全通貨ペアで16,000通貨単位まで行ったのは、USDJPYの1回のみ、EURUSDとAUDUSDでは最大8,000通貨単位まででした。GBPUSDは最大ロット£4000でした。仮に最大32,000通貨単位まで発注するような場面であっても、その瞬間では、大部分の含み損益は実現益でカバーされていますから、そこから相場が50 pips程度戻せば、収支トントンとなります。500 pips暴騰・暴落した相場は、一旦50 pips程度は戻すでしょう。万が一、更に暴騰暴落があった場合は、もはや注文は出しません。晒しているポジションに必要で十分な証拠金を確保しておく、または、同額の逆ポジションを持って相場の反転を待つことにします。
二、運用口座
4通貨ペア結果のバックテストは下記しますが、いずれもプロフィット・ファクター(PF)は1.7程度です。数回のナンピンを繰り返し、総合で目標利益に達すれば手仕舞うわけですから、PF自体はそう大きくはならないのが普通です。その間、ヘッジ取引を何回も繰り返す結果、ナンピン中でも実現益が積み重なっていきます。1000通貨ペアを最初のロットとしますと、3ヶ月の運用利益はレバ25では目立った存在ではありません。しかし、資金が100万円もあれば、日本のFX会社でも充分戦える存在です。もし、レバ500 ~ 800の海外口座で運用すれば、1万通貨単位で始めても、証拠金の心配は少ないでしょう。但し、本戦略は長期間勝ち続けることが多いでしょうから、FX会社によっては突然、契約を解除したり、レバを突然下げたりするというリスクがあります。その危険に対しては、口座を複数用意して、2 ~ 3ヶ月毎に口座を変えて運用するという作戦も必要となるでしょう。
三、手仕舞い条件
マーチンゲール部分のみの利益に注目して、EURUSDとGBPUSDでは、総利益500円で決済します。待機注文もすべてこの段階で、キャンセルします。この部分の利益は500円でも、ヘッジ取引でそれと同等かそれ以上の利益を積み重ねていますから、取引全体では、倍の1000円近くにはなっているでしょう。MT4では利益額の算出は口座の通貨にてなされることになっています。もし、口座通貨がUS$である場合には、500円は4.4等米ドル相当額にて設定する必要があります。もし、当初ロットを1万通貨単位とする場合は、利益額設定も10倍(5000円)となります。
四、バックテスト
期間 : 2021.10.01 ~ 2022.01.12、但し、AUDUSDについては全チックデータの関係で、2021.11.11 ~ 2022.01.12までの約2ヶ月間,、スプレッドはいずれも1 pipにて計算。
損益グラフで含み損がある状態でも、実現損益ラインが上向き曲線を描いているのは、ヘッジ取引の実現益が発生しているからです。
① EURUSD
② GBPUSD
③ USDJPY
④ AUDUSD
五、公開予定
プログラムはMT Studio21社に送付しましたので、数日後には公開予定です。EAの性格上、限定販売の予定となるはずです。多数のEAが市場に出回ると何かと不都合な事態に陥る可能性があるからです。
リリースが楽しみです!
購入前に質問なのですが、今回のEAの特徴は、昨年11月にリリースされた『トラリピEA に Half & Half 及びトレイリングストップ装備』にマーチンゲール手法を加えたものと考えても良いのでしょうか?
もしそうだとしますと、トラリピは値幅の設定に苦労するイメージがあるのですが、バックテスト結果を受けてデフォルトで設定されていると考えて良いでしょうか?
ご教示頂けますと幸いです。
トラリピと今回のEAは複数の注文を出すことは似ていますが、その違いは次の通りです。
① トラリピは一定の価格帯に同額・複数の少額注文を発出するのに対して、今回のEAは逆張り指標の売買シグナルに対して最初のロットの注文を出します、ブログに書くのを失念しておりましたが、指標としてはRSI、Stochastics、Bollinger Bandsを用意しています。指標の一つまたは複数の組み合わせの売買シグナルでエントリーとしますが、この取引ではできるだけトレード数を確保したい考えから、管理人はStochastics一本でのシグナルのみでバックテストを行いました。その後、価格が逆行した場合には注文ロットを倍々させますので、そのままでは大変危険な取引となりえます。
② 確かにトラリピにおいても、買いのトラリピであれば、売りのスキャルピングを繰り返すという戦略もあるようです。トラリピのリスクはマーチンゲールほど大きくはないので、管理人作成のEAでは、逆指値注文のオプションにて不要なポジションを保有しない対策をとっています。Half & Halfもリスク対策の一方法ですので、ことらも本体EAの付録として追加しております。
③ ヘッジ取引のアルゴリズムは企業秘密でもありますが、現在に方針では、ここにトレイリングストップを装備することになっています。但し、その後のMT Studio21社との打ち合わせでは、単純ストップでもよいのではという意見が出ています。テストを繰り返し、より安全で有利な方法を選びたいと考えております。主たるマーチンの保有ポジションと同数のヘッジ取引を繰り返すというのが、基本理念です。このデフォルトの思想がない限り、マーチンゲールを組み込んだEAを公表することはありませんでした。
今回のEAは、トラリピのようにレンジ幅を設定してその幅で逆張りしていくのではなく、逆張り指標のシグナルで逆張りするのですね。
トラリピはレンジ幅の予想が難しいと感じていますので、今回のEAは大変使いやすそうですね。
ちなみに現在のバックテストはストキャスティクスのみとの事ですが、RSIやボリンジャーバンドを併用しない方が成績が良いのか、とても気になります。
もしよろしければ、リリース後の取扱説明書には、どの指標を使用すると比較的成績が良いなどの情報もご提供頂けますと幸甚です。
リリースを大変楽しみにお待ちしています。
引き続きよろしくお願いいたします。
ヘッジということで、両建てにされると思いますが、仮にフルヘッジであれば、片方で利益が出て手仕舞をすると、もう片方ではマイナスとなります。利益はのこらずスプレットがマイナスとなります。記事のように両方で利益を出すとなると、どこかで片方を利益確定、そして、もう片方をリスクにさらすなど必要だと思います。つまり、両方が利益になるのは、どこかで片方がマーケットリスクにされされないと実現しないと思います。本EAは、片方になったところは、テクニカルかなにかで、そこは利益をねらいにいっているということでしょうか?ヘッジ戦略から企業秘密かもしれませんが、EAのリスクを正しく理解したく、ご質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
本EA公開までには、数日を要しますので、その日までにもう少し詳しい内容をブログで申し述べたいと思います。