やっとあえたね。
ちいさなこどもだったときのことをおもいだせない。
ようちえんや、ほいくえんにかよっていたときのわたしは、どんなこどもだったのだろう。
いっしょにあそんだともだちや、せんせいをおぼえていない。
すきだったおもちゃや、てれびはなんだった?
しょうがっこうにあがってからも、ぼんやりとしたきおくしかない。
ひっこしをくりかえしたから、かんきょうがかわったから、
あたまのなかがいっぱいになって、あふれてしまったのかな。
たぶん、ほんをよむのがすきなこどもだったはず。
いつも、へやのすみや、ろうかのはじっこで、ほんをかかえていたようなきがする。
そんなわたしがおぼえている、たったひとつのほんは、「ロッタちゃんのひっこし」です。
ずっとさがしていて、オークションで、みつけることができました。
なつかしくて、なつかしくて、むねがいっぱい。
わがままなロッタちゃんと、ぶたのバムセは、こどものときのわたしをおぼえてくれているかな。