「アリ様」の住む町の住宅街を歩いていたら、顔なじみの婆が声を掛けてきた。
「布団乾燥がどうのこうの」と言っているが、意味が良く判らない。
良く話すと昨年福祉委員で、一人暮らしの婆の布団を二階から上げ下ろしを
やって上げたのだが、今年もやってくれるかと言っている。
「お前さんが好きで好意でやっていたのではなく、去年は任務でやったの ! 」
「今年の福祉委員より、「アリ様」の方が良い」言う。
嬉しいような、悲しいような事を言うではないか。
まてよ ! ココで「アリ様」がやってしまったら近所の噂にでもなったら大変 !
「福祉委員でもない人が、未亡人宅へ上がりこんで布団を二階から降ろした」
噂に尾ひれがついて町内のテレビニュースに流れそう。
冷たくお断りして、「他の力仕事ならやって上げるから・・」となだめた。
お前さん口が裂けても人前でそんな事言うなよ。
しかし、婆とは言え嬉しいではないか。
色男の「アリ様」はニンマリの一日でした。
もうお会いできない方々 7