めんどりおばあの庭

エッセイと花好きのおばあさんのたわ言

おんどりの話

2014-03-14 12:21:29 | 日記
今日は曇天で、庭の福寿草も寒さでつぼみを閉じています。

日差しが射すときらきらと黄色い花を咲かせます。

それを眺めると、ああ、春が近づいていると心がほんわかします。

ジンチョウゲのつぼみもまだまだ堅そうです。

このジンチョウゲは孫木です。1代目48年前に植えました。大きく
育ったのですが、寿命なのか枯れそうになり、一枝挿し木にして
育てました。それをまた挿し木にしたのが今の孫木です。
ジンチョウゲは寿命が短いのでしょうか。

最初のジンチョウゲが元気だった頃のお話しです。

我が家の前のお家で鶏を1羽飼っていました。

縁日で買ってきた可愛いひよこが大きなおんどりに育ちました。

屋上で飼っていました。多分、朝、5時頃になると「コケコッコー」
と大きなときの声を周囲に響かせました。

住宅地の中でのおんどりのときの声。

私は子供の頃、鶏を飼っていたのでさほど驚きませんでした。
夫のお弁当を作るために早起きしなければならなかったので
目覚まし代わりでした。

しかし、周囲の方がよく文句を言わないなと思っていました。

しばらくして、おんどりのときの声がしなくなりました。

「おんどりさん、どうした?」と尋ねました。

「Aさんの奥さんからそろそろ絞め頃じゃないの」と言われたの。

Aさんは私たちより年長でした。

さすがのんびり屋さんの飼い主もきつい言葉の意味に気づいたらしい。

おんどりは、飼い主のご主人の研究所に持って行ったとのこと。

その後のおんどりの運命は知らない。
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テルマエ・ロマエ

2014-03-14 01:55:50 | 日記
映画、『テルマエ・ロマエⅡ』が公開されるとのこと、
複雑な気持ちである。

2012年の夏、最初の『テルマエ・ロマエ』が初公開された時、
娘夫婦と私たち夫婦で観に行ったからである。

娘はその年の5月に7時間余に及ぶガンの摘出手術を受けた。
ガン細胞はすでにリンパに転移していたのである。

仕事の好きな彼女は早く退院して会社に行きたいと前向きだった。

現在の医療はインフォード・コンセプトというのか、患者にすべてを
告げる仕組みになっている。まして、インターネットという情報社会。
彼女はセカンドオピニオンも受けて、自ら医師に質問して自分の状態
を把握していた。
信頼できる主治医に巡り会え、前向きに抗がん剤治療に専念し、
苦しい治療に耐えていた。
ただ、私は見守るしかなかった。
そして、つとめて明るく娘に接する努力をした。

病室で『テルマエ・ロマエ』の話題になり、面白そうだから観たいね
と、私が言うと、退院したら行こうと乗り気になった。
そして、原作者のヤマザキマリ著「
『テルマエ戦記』が面白いよと
教えてくれた。娘から貰ったその本は大切な遺品となってしまった。


そして、細胞の検査結果が出るまでの退院直後、娘夫婦に映画に
誘われた。シネマ館は大入り満員。座席は一番前だった。
大音響とスクリーンの中から登場人物たちが飛び出してきそうな
大画面。目がくらくらしてきた。
そんな中、娘はケラケラ大笑いしながら観賞していた。

その笑い声を効きながら、主治医の余命告知の声が私の頭の中を
巡っていた。

娘は不安を吹き飛ばしながら映画を観ていたのであろうか。


『テルマエ・ロマエⅡ』を観に行ける自信がない。
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