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ヘーゲル『哲学入門』第三章 宗教論 第七十七節[神の性質について]

2023年02月18日 | 宗教一般

 

ヘーゲル『哲学入門』第三章 宗教論 第七十七節[神の性質について]

 

§77

Gott ist, nach den Momenten seines Wesens, (※1)1) absolut heilig, (※2)insofern er das schlechthin in sich allgemeine Wesen ist. Er ist: 2) absolute Macht, (※3)insofern er das Allgemeine verwirklicht und das Einzelne im Allgemeinen erhält oder ewiger Schöpfer des Universums. Er ist 3) Weisheit, (※4)insofern seine Macht nur hei­lige Macht ist; 4) Güte,(※5) insofern er das Einzelne in seiner Wirk­lichkeit gewähren lässt und 5) Gerechtigkeit, (※6)insofern er es zum| Allgemeinen ewig zurückbringt.

 

第七十七節[神の性質について]

神は、その存在の契機からみれば 、 1) 神は自らのうちにおいて全く普遍的な存在であるから、絶対に 神聖 である。神は、2) 絶対的な威力 である。神は普遍を実現し、そうして普遍のうちに個別を保存し、永遠の 宇宙の創造者 であるから。神は、3)  知恵 である。彼の威力はひとえに聖なる力に他ならないから。神は4) 善なるもの である。神は個別をその現実にあるがままにさせておくから。そして、神は 5) である。神は個別を普遍へと永遠に取り戻すから。

※1
den Momenten seines Wesens  
神の存在(本質)の契機
Wesen
実体、存在、性質、本質、実質、実体
Moment
要素、要因、因子、構成要素、動因、 因数

ヘーゲルにとって宗教とはキリスト教のことであったから、神の存在の本質的な性質を聖書の中から具体例を取り上げた。

※2
heilig 
神聖、尊い、聖なる、神々しい

というのも、世界が創造されてからこの方、目に見えない神の性質は、すなわち神の永遠の力と神聖な霊性は、神の働きからも理解され、はっきりと見えるものであったから、人々には弁解の余地はない。(ロマ書1:20)
 
※3
die Macht 
威力、力、強力、暴力、実力

ある日のこと、イエスは教えていた。そしてパリサイ人と律法師たちがそこに座っていた。この人たちはエルサレムから、ガリラヤやユダのすべての村から来ていた。病を癒す主の力が彼のうちにあった。(ルカ書5:17)

※4
Weisheit
wisdom
知恵、叡智、智識、才気、聡明

ああ、神の智恵と知識の富の深さよ。神の裁きはなんと計りがたく、神の道は辿りがたいことか。(ロマ書11:33)

※5
Güte
goodness
良さ、善、 善良

「なぜ私を善いと呼ぶのか。」イエスはお答えになった。「神お一人をのぞいて善い者は誰もいない。」(ルカ書18:19)

※6
Gerechtigkeit
正義、 公正、 裁判、 公平、義、正直

そして、キリスト・イエスにあるあがないを通して、神の恵みによって無償で義とされる。(ロマ書3:24)

 

ヘーゲル『哲学入門』第三章 宗教論 第七十七節[神の性質について] - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/cCheBv

 

 

 


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