フォトフレーム

オヤヂの住みかは団地．
集合住宅というやつである．

生まれ変わったら家具職人と決めている．
現世ではその手習いとして木工に励む．

で，作業場所はベランダ．
集合住宅なのであまり音を出せない．
ホゾ穴を開けるにもノミをゲンノウでたたくのは憚られる．
ドリルで穴をあけ，あとは手でノミを押してゆく．

最近の習作は写真立て．
壁掛け式なので「立て」とはいえず，フォトフレームと呼んでおく．

フォトフレームは小さな額縁．
外周を面取りすれば見栄えがよくなる．
「飾り面取り」というらしいが，それをするにはトリマーを使う．

トリマーという電動工具．
30,000回転／分で刃先が回る．
木を削っている時にはさながらジェットエンジンのブレードのようにキーンという音がする．

ワンカット１０秒もしないが，ベランダで作業すると女房殿から苦情が出る．
隣接するお宅から苦情が出ないのは，ひたすら耐えて頂いているのだろう．

さて，トリマーである．
高級品には，始動時の反動を和らげるソフトスイッチ機能があったり，トルクを一定に保つ回路が組み込まれたりしているらしい．
が，オヤヂが愛用しているのは廉価品なのでそんなものは無い．

が，それでも「飾り面取り」ができる．
これがなかったらオヤヂには絶対に無理っ！という加工ができる．

下の写真は「ギンナン面ビット」という刃先を使ったもの．

　　

トリマー作業は（音を除くと）実に楽しい．
楽しいが，これもなかなか上手にならない．
トリマーを動かす速さが難しくて，お焦げを作ったりする．

また，市販されている額縁のように四隅を４５度にカットしてフレームを組みたいが，どうも一発では決まらない．
４５度に墨付けしてノコで切るのだが，ピタッと合わないのだ．
この４５度で接合するのを「留め接ぎ」というらしいが，まだまだ上手にならないので，２次加工（？）を施してから二つを貼り合わせる．

　　

「留め接ぎ」にはトリマーを使わないけれど，工夫すれば使えるかもしれない．
なにせ技術がないのだから，創意工夫とゴマカシでやるしかない．

フォトフレームは幾つか練習した．
二つは既に実用（？）に供した（リビングで家族写真を入れている）．
もうひとつはつい先日，ご近所の方に差し上げた（押しつけた）．
まだ，何個か塗装を待っているものがある．
ご近所を気にしながら気長に練習していこう．

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