遊びをせんとや

人生総決算!のつもりで過去・現在のことなどを書きます
といっても肩肘はらずに 楽しく面白く書きたいと思います

檀一雄を巡る女たち・男たち~その3「ヨソ子が書く」

2023年07月24日 | 読書



昨日の日曜日に到着する筈の「ある昭和の家族」の本。
私の勘違いで来るのは次の日曜日だった。でも、別の本が届いた。
沢木耕太郎著『檀』・・・購入したのを忘れていた。
練り直した攻略法だったのに・・・また、変更だ。
1995(平成7年)新潮社より発行

この本は、沢木が週一度ヨソ子の家を訪れて1年ほどかけて取材したもの。
それをヨソ子が一人称で檀一雄や子供や愛人のことを書く形になっている。
すなわち、沢木という聞き手、書き手はどこにも姿を現さない。珍しい手法。

以下、経年で檀とヨソ子の主なエピソードを書いてみる。

1912(明治45) 檀一雄、山梨県都留市で生まれる
       (彼の父母兄妹は「昭和の大家族」を読んでから改めて) 

1923(大正12) 山田ソヨ子、福岡県柳川市近郊大和村の地主の家に生まれる    
       姉と二人の兄とすぐ下の妹の五人兄弟
       ヨソ子は本名 生まれて来る女児が次々死んでしまった
       <彼女が生まれたら「よその子」として育てよう>
       両親の意向でヨソ子と名付けられ、大事にそだてられた
       尋常小学校を卒業し、柳川の高等女学校に通う
       読書や理数系が好きで、背が高いのでバレーボール部
       卒業後は、家に入って結婚に備える道を選んだ。

1941(昭和16) 檀は福岡の開業医の娘高橋律子と結婚する 一雄29歳
       檀の母トミの勧めで見合いした結果の事だった。

1942(昭和17) 檀と律子は石神井に居を構える       
       ヨソ子、海軍中尉武藤と見合いをして結婚する ヨソ子19歳

1943(昭和18) ヨソ子の夫武藤が戦死する
       夫の両親から義弟との再婚を望まれるが断る(義弟も戦死) 
       檀と律子の長男太郎が生まれる

1944(昭和19) 檀は報道班員として中国へ渡り、各地の戦場を回る 

1945(昭和20) 東京の空襲が激しくなり、律子と太郎は福岡の実家に戻る
       律子が腸結核に罹る 檀は終戦直前に帰国し律子を懸命に看病

1946(昭和21) 律子が死去 檀と太郎は福岡の遠縁の家に身を寄せる
       その家に出戻りの娘がいて、檀は入り婿の形での再婚を望む
       彼女には進駐軍に好きな人がいて檀の望みは叶わなかった

沢木耕太郎の本のお陰で、ヨソ子や律子の人生が少し見えて来た。
でも、まだ先は長く、「りつ子」や「火宅の人」も同時並行読み。
目も霞んで来たので、この続きは次回に回そう。
それではまた明日お会いしましょう。

[Rosey]

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