真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

71年前のパリ市庁舎前スピーチ

2015-11-15 17:40:37 | Weblog
「これから何事が起ころうとも、フランスの抵抗の火を絶対に消してはならないし、抵抗の炎は消えない」

 1940年6月18日。
 ロンドンのBBC放送は、ほぼ無名だったフランス陸軍准将、シャルル・ド・ゴールの声をこの日はじめて、祖国フランスに、そして世界に伝えた。

(ナチス・ドイツへの抵抗を選択したド・ゴールは、先の見通しも大きな支援も何も無い中で、祖国解放のためにイギリスに渡った)。

 昨日の、フランスに対する攻撃。
 テロは、人々に恐怖を与え、恐怖で自分たちの言いなりになるようコントロールする政治的な手段である。

 いかなる思想・信条・宗教が、いかなる立派な理由を掲げたとしても、テロは恐怖心を利用した人間操縦である。心の自由を奪う行為である。
 恐怖に押し流され、恐怖に屈することは、生きながら死ぬことだ。
 
 ド・ゴールは、四年間の戦いを経て1944年8月、パリに戻ってきた。パリは、自由を取り戻した。生きながら死んでいたパリは、再び生気を取り戻した。

 パリに凱旋したド・ゴールは、市庁舎前で、大群衆を前に次のようにスピーチしている。

「パリ! 侮辱されたパリ! 打ち砕かれたパリ! しかし今や解放されたパリ! 自分自身によって解放され、フランス軍の協力のもとに、フランス全体の、戦闘するフランスの、真のフランスの、唯一のフランスの、永遠のフランスの支援と協力のもとに、解放されたパリ!」

 亡くなられた方々へのご冥福と、傷を負われた方々のご快癒を祈りつつ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする