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側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

他の疾患と整体.....効果は継続するのか?

2008-07-29 00:03:01 | 特発性側弯症と民間療法
私的なことなのですが、叔母が整形外科で脊柱管狭窄症と診断され、どういう病気
なのか調べて欲しいと頼まれました。
いつものようにネット検索をしていて、とある中年女性(40代)が書かれているブログ
を見つけました。その方の経験が、非常に側弯症にも類似していると感じ、ここに
一部ご紹介してみたいと思います。

  「脊柱管狭窄症の体験ブログ」
   http://blog.livedoor.jp/akoako_mit/archives/cat_15153.html

  この足の痛みは、もう医者じゃ治らない。
  そう思うようになって、私が行ったところは整体です。
  平日の夕方だったので、混んでもいず予約もしなかったけどすぐに施術を受け
  ることができました

  今までの整形外科の話や手足のしびれ、坐骨神経痛のことなど話し、いよいよ
  始まりました。

  骨盤のゆがみ、背骨のゆがみ、肩こりがひどいことなどなど、骨格のバランス
  を調整してもらい、マッサージしてもらっておしまい。

  驚くほど軽くなりました!歩くのも楽!!

  整形外科じゃだめだったけど、そっか~、体がゆがんでいただけか~!!

  そんなわけで、月1回か2回、調子の悪いときには週1回のペースでずっと通いま
  した。一回5千円~7千円を払い続けるのは、高いけど高いとは思いませんでし
  た。


  これで痛くなくなるなら・・・。



  でもだんだん、整体に行っても痛みがとれなくなりました。
  もう坐骨神経痛が常にある状態。何をしても痛い。何をしなくても痛い。


  整体で脊柱管狭窄症が治ることは無理だと思います。骨のずれやゆがみで生じ
  た物ではあるかもしれないけど、実際に靱帯が神経を圧迫している状態では
  この靱帯を広げることは整体では無理だと思うからです。

  痛みで固くなった股関節、背骨、などを矯正しほぐすことにおいては整体は
  非常に有益だと思います。
  これにより、痛みを軽減できるし、より悪くなることを防いでくれます。
  痛みのため、他の部分に負担がかかりそこが悪くなることもあるので。

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(august03より)

 身体をマッサージして、ほぐしてもらうと気持ちよくなります。
 自分ではない誰かの手で触れられているだけでも、体がほぐれる感じがする
 ものです。
 脊柱管狭窄症は病因ではなく、病態を示す用語で、その原因は様々な要因が
 ありえます。血行不良から足がしびれる、痛みを感じるという症状があらわれる
 こともあり、整体で体をほぐしてもらったことで、一時的に狭窄部位のこりが
 ほぐれ、血行が良くなったことで、軽くなった! という感覚を得たとしても
 不思議ではありません。
 でも、このご婦人が経験されているように、やがて、その効き目も消失します。
 対処療法として、こりをほぐしているだけであり、狭窄を生じさせている原因
 それ自体を治療することはできていないからです。

 このご婦人の場合は、腰椎すべり症がその原因なのですが、いわゆる老化をもと
 として、変性疾患....この方の場合は、椎間板変性の進行により、椎間板がその
 上下椎体を保持する力を失い、椎体のすべりが生じ、その結果脊髄および神経根
 の狭窄から、下肢のしびれ、痛み、歩行困難(間歇は行)という状態を生み出して
 いたことがブログからわかります。

 整体の宣伝を読んでいますと、まるで魔法の手を持っているかのような言い方を
 し、すべてが骨盤のゆがみ、脊椎のゆがみが原因で、そのゆがみさえ整えれば
 痛みは解消する。ように錯覚してしまいます。
 このブログのご婦人は重篤な状態すぎたのかもしれず、人によっては、整体の
 マッサージでも楽になり、それが続く人もいるかもしれません。

 翻って、特発性側彎症はどうでしょうか。
 原因不明、進行は長期にわたり継続性をゆうする(骨成熟後、つまり大人になっ
 ても進行が続く)、金属インプラントで固定しても、その変形しようとする力は
 強大なものがある。
 このような性格を持つ側彎症が、どうして整体の施術で「治る」ということが
 ありえるでしょう。
 
 商売ゆえに、優しくも接するでしょうし、親切な態度もとるでしょう。
 素人を騙す程度の知識や言説も述べるでしょう。
 しかし、所詮、もとをただせば、医学/医療を正式に学んだこともない人たちが
 法の抜け穴を利用して、患者を集めて、金儲けのためにしているだけのこと

 何度も同じせりふの繰り返しになりますが、
 整体で、側彎症が治ることはありません。


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2 コメント

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脊柱管狭窄症 (萩原俊明)
2008-07-29 17:20:15
以前こちらの記事をリンクさせていただきました者です。今回の記事ですが、ぜひ、下のリンクをお調べください。
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/
http://junk2004.exblog.jp/

私も管理人様がおっしゃるように、整体師の言う、痛みや不調の原因は「体のゆがみにある論」は正しくないと思っております。ゆがみは原因ではなく結果でしかありません。
またゆがみは痛みの原因としての直接の相関はありません。
現実のこととして、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が画像診断で確認されているにも関わらず痛みのない人は大勢いますし、逆に画像では何の異常もないのに、症状としては坐骨神経痛や間歇性は行を示す人たちも大勢います。

今回の管理人様のコメントの中で生理学的に誤っていると思われる部分をご指摘いたしますと、脊柱管が狭窄して起こり得るのは麻痺と麻痺性の痺れであり、痛みは出ないということです。これは生理学的に麻痺とは真逆の現象であるからです。
痛みとは通電している状態であり、麻痺は不通となっている状態です。ですからそれらが同時に起きることはないわけです。
麻痺が強い場合は手術の適応であると思いますが、痛みは「骨変形」のような構造異常とはただちに関係はありませんので、まずは生理学的な視点から、安全で安価(適切価格)な医療から選択すべきなのです。
私は手術を否定するものではありません。ただ、ものごとには、科学的な正しい選択の順序はあるであろう、とする立場をとっております。
整体が効かなかったから手術、というのでは短絡過ぎます。しかし有益な情報が市民に知られていませんので、不幸な方が増え続けている現状です。
上にご紹介したリンクの整形外科には、脊椎専門医と呼ばれている医師たちに、痛みに対しては意味のない脊椎固定術やヘルニアの手術を何度も受けていながら痛みが治らず、結局手術をした医師から「手術は完全に成功している。精神科に受診してはどうか」などと言われた不幸な患者さんが全国から集まり救われています。
その治療費がいったいいくらだとおもいますか?
初診料込みで1300円(国保)です。
通院では300~500円です。
そしてこの先生に救われた患者さんたちが自分たちで作った掲示板も上のサイトにリンクされています。
これ以上、自分たちの受けたような、無駄でリスクと経済的肉体的損失のある手術をストップさせるための掲示板です。
管理人さんは科学的視点を有する方であると私は信頼しております。
どうかご自分の目と思考でこの事実をご検証くださいますようお願いいたします。

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Unknown (august03)
2008-07-30 00:13:18
萩原様
コメント並びに新しい知見を教えていただきまして、ありがとうございました。加茂先生のページはときどき拝見させていただいておりました。痛みの機序はひとすじなわではいかない、ということについては、別の文献等でも読んだことがあります。萩原様のご専門の目で見て、わたしの説明で過ちがあるときは、今後とも同様にご指摘願います。
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