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子どもの背骨の病気を治す (著者:下出先生)体操療法とは

2017-09-23 00:21:34 | 特発性側弯症とスポーツ

引き続き下出先生の書籍より一部引用させていただきました。

(page121~123)体操療法とは何か
脊柱側弯症(せきちゅうそくわん)に対しては、古来いろいろな種類の治療体操が考案されています。ぶら下がり体操や背骨の側彎とは逆の方向に背骨を曲げる体操などのように曲がった背骨を他動的に矯正しようというもの (中略) それらのどのような体操も、体操中は側弯変形が十分に矯正される効果があることは証明されています。しかし、残念ながらその矯正効果は恒久的に維持されるものではなく、あくまでも体操中だけの効果で、本当の矯正効果が証明された体操はありません。また側弯変形の悪化をくい止める効果を証明された体操もありません。真の治療効果が期待できる脊柱側弯症の治療体操はないというのが現状です。(中略) 治療体操のもうひとつの大きな問題は体操自体が楽しいものではなく、脊柱側弯症のこども本人の受け入れが悪いことです。自分から進んで体操をつづけようという気になる子がほとんどいません。親はなんとか毎日体操をさせようとするのですが、本人はなかなかその気になれず、親子ケンカの種になるだけで終わることも多いのです。(中略) 他動的に側弯を矯正する方向に体を曲げたり体全体を引っ張って側弯変形を矯正したりするのは、曲がった形で背骨のまわりの筋肉がかたくなるのを防ぐストレッチの効果があります。また自分の筋力で側弯変形を矯正しようとすることは背筋や腹筋が鍛えられる効果があります。このように体操によって側弯変形自体をなおす効果は期待できなくても、体幹の機能を向上させる効果は十分に期待できます。(中略) そこで筆者らは患者さん本人が好きな運動やスポーツを見つけ、それを続けるように指導しています。(中略) それは体全体の発達健康のためにも非常にたいせつなことです。(中略) スポーツの種類にこだわる必要はありません。もちろん脊柱側弯という背骨の変形にもこだわる必要はありません。本人が興味をもち長く続けることが大切なのです。

(page159)......背骨の変形とは関係なく、というより変形があればなおさら体幹筋を鍛えることが重要になってきます。そのためには、興味のもてるスポーツをみつけ、楽しく息長くつづけることが望ましく、それが体幹筋を鍛えすぐれた機能をもった背骨を獲得するコツとなりましょう。(後略)



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◇下出先生シリーズ
 「子どもの背骨の病気を治す(著者:NTT関東病院下出先生)」


☞ comment by august03
運動、スポーツの実施等については、必ず専門医・主治医の指導・アドバイスを受けてからにして下さい。海外の文献を読みますと、例えばウエイトリフティング(重量挙げ)やラグビーのようなスポーツは、十分に医師と相談し、経過観察をしっかりとしなければいけない。という記載もあります。

august03
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。  医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。 ☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。 ☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?


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