「どっちの質問から答えようか。やっぱ最愛の人から? う〜んと、まず自己紹介遅くなりました。コンミンの妹の眠眠です。アッ、あなたからは『こうめい』と日本語読みで呼ばれてるんだった。でも、家族は中国語読みでコンミンと呼んでます」
「答えになってない。最愛の人だなんて・・・一度も言われたことないし」
「ナオミ、あまり日本人の格闘家男子分かってないね。最初にコンミンのこと、やっつけちゃったよね。コンミン、ずっと気にしてたんだよ」
「そんな昔のことにこだわるなんて・・・」
「コンミンは最初からナオミをいいなと思ったし、付き合えば付き合うほど好きになった。でも、自分を負かした相手に告白するなんて沽券に拘わる」
「意味分かんない!」
「眠眠にも意味分かんないけど、コンミンの頭の中では意味が通ってた。しかも、ナオミを助けるチャンスでもボロボロで、いいところ見せられなかった。だから・・・・・・」
「だから?」
「修行することにした。友情、努力、勝利だね。仲間と一緒に修行して、いつかナオミよりはっきり強くなって告白するつもりだった。完全なバカだよね。妹の目から見ても。でも、コンミンらしいと思わない?」
「・・・・・・」
「やっぱ意味不明? さあ、おしゃべりはもうやめて本題に入ろうよ。日本からアメリカくんだりまで来た訳を話さなくちゃ」
ナオミが眠眠のはだけたチャイナ服を引っ張ってひきおこすと、背中から胸にかけての真紅の龍のタトゥーが見えた。
「おしろい彫りなの。ふだんは見えない」
「今日は熱くなった、ということね」
「なんで知っているの。ああ、前にコンミンと同じことがあったんだ」
気がつくと、周りが拍手をしてくれていた。
アルトロラーベが言う。「生身の身体にしてはたいしたものだな」
スカルラーベが言う。「いつかお二人さんと戦ってみたいものだ」
マクミラだけは、いったい何をしてるんだかとあきれ顔だった。
ランキングに参加中です。はげみになりますのでクリックして応援よろしくお願いします!
にほんブログ村