マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-1542.html
<転載開始>

Andre Vltchek
2018年3月16日
New Eastern Outlook

三カ月後にダマスカスに帰国するつもりですと、彼がにこにこしながら言った後、“ベイルートには何年暮らしているの?”と、私は理髪師エヤドに聞いた。

一年前には、そのような会話を始めるのは容易ではなかった。しかし今は、あらゆることが急激に、またそう信じたいのだが、不可逆的に変化しつつある。

本当に不可逆的なものなど何もないとは言え、欧米、特にアメリカ合州国が威嚇的になればなるほど、シリア国内の状況は良くなる。今欧米は、またしても、ロシアや他の国々を壊滅的対決に引きずりこみかねない、シリア軍攻撃の用意ができていると、ダマスカスを威嚇している。戦争だ! 欧米がシリア内での永久戦争に取り憑かれているのは明らかだが、大半のシリア国民は、永続する平和を取り戻すことに情熱的だ。

“6年です”と理髪師は、カミソリを準備しながら答えた。彼の声に悲しみと憤りを私は感じ取った。“6年は長過ぎます!”

“帰国してから、どうするの? ダマスカスで理髪店を開店するつもり?”私は知りたかった。私がこれまで経験した中で最高の理髪師だ。素早く、自信がある、正確な名匠だ。

“いいえ”彼は微笑んだ。“言いませんでしたが、私は機械技師なんです… 理髪師は、祖父から学んだんです。今アラブ世界では、何百万人もの人々が本職でないことをしています… それでも帰国して、祖国再建を支援したいのです。”

エヤドの政治傾向については何も知らない。そういうことを聞くのは失礼だと思っていたのだ。今なら聞けるだろうと感じていたが、聞かなかった。彼は祖国を助けたくて、帰国しようとしている。大切なのはそこだ。

“ダマスカスに会いに来てください。” 別れ際に彼は微笑んだ。“シリアは小さな国ですが、すごい国です!”