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エリザベス女王の「人気」は健在! イギリス王室の大きな節目となる2022年について考察

1/6(木) 21:20配信


今年は女王の在位70周年を祝う大規模な祝典が計画されているが、王室には依然として大きな問題が
 スキャンダルや離婚、ウィンザー城の火事などに見舞われた1992年の英ロイヤルファミリー。エリザベス女王がこの年を「アナス・ホリビリス(ひどい年)」と表現してから、30年目を迎えようとしている。だが2019年から2021年の3年間で、女王は度重なる挫折や喪失、論争に直面し、ある意味、この有名なフレーズを使う時が再び来てしまったといっても過言ではない。 【写真】運転免許やパスポートも必要なし!エリザベス女王について知らなかった30のこと そのため、重大かつ悲痛な家族との分裂や、息子の不名誉な性暴力疑惑などのイメージが、英国王室の一部として定着したまま2022年に突入している。何十年もの間、着実に舵取りを担い、多くの尊敬を集めてきた現在95歳のエリザベス女王は、それと同時に「強さと支えとなる存在」である夫のフィリップ王配を失い、かつてないレベルで公の場からの後退を余儀なくされている。 いっぽうで2022年は、英国王室史上最も重要な節目のひとつを迎える年でもあり、王室は英国全体を祝賀ムードで盛り上げるための準備を進めている。女王は2022年2月6日未明に在位70周年を迎え、英国君主として初めてプラチナ・ジュビリーを祝うことになる。 6月の連休中に計画されているこの祝賀イベントは、コロナ後の英国における「再開の式典」と銘打たれている。しかし、パンデミックにより大規模な集会が不安定に紆余曲折を繰り返しているように、王室もまた、10年前のダイヤモンド・ジュビリー(在位60周年)の時には考えられなかった課題に直面している。
エリザベス女王と、女王の第3子で次男のアンドルー王子
2021年末にドクターから安静を言い渡され、複数の公務をキャンセルした女王が、イベント期間中にどれだけ姿を現すのかはわからない。にもかかわらず、多くの人が女王を祝福したいと強く望んでいることは間違いない(英国の世論調査によると、女王は依然として人気が高く、大多数の人が女王はいい仕事をしてきていると考えているそう)。 もし、女王の体調があまりにも悪く、イベントに参加できないとしたら、それはまた別のターニングポイントとなるだろう。英『ガーディアン』紙は、今回の祝典が「これまでとは違うものになる」と指摘し、それを踏まえたうえで、今後の王室の在り方について国民的な議論を深めるよう呼びかけている。 同紙の社説には、こう綴られている。「君主制は、国家の安定を象徴する存在として国民の羨望の的となり、支持を得てきたが、同時に国民は、君主制が今日の価値観を象徴する近代的なものであることを望んでいる。変化が起きた後ではなく、変化が起きる前に、これらについて話す必要がある」 誰もが、きたる6月に女王がバッキンガム宮殿のバルコニーに立つことを望んでいるいっぽうで、女王の第3子であるアンドルー王子に対しても同じことを望んでいるわけではない。



2021年末、彼の友人であるギレーヌ・マクスウェルが、性的人身売買の裁判において6つの容疑のうち5つで有罪判決を受け、再びトップニュースになった。この裁判ではアンドルー王子についてはほとんど言及されず、刑事責任を問われることはなかった。だが、マクスウェルに有罪判決が下されたことで、ヴァージニア・ジュフリーが王子の性的虐待を告発した係争中の民事裁判が勢いを増すことは間違いない。 英『デイリー・メール』紙の記者リチャード・ケイは、アンドルー王子がマクスウェルおよびバージニアと一緒に写っている悪名高い写真について、「今ならどんなキャプションをつけるか、考えてみよう。右から左へ『性的人身売買業者、性奴隷、公爵』」と書いている。 アンドルー王子に対する訴えが(彼の弁護団の要求どおりに)却下されるか、NYでの裁判に進むのかは、今月中にも決まると予想されている。いっぽう王子は、ロイヤルとしての公的生活から完全に抹消された状態が続いている。
昨年のクリスマスには、ロイヤルたちがウィンザーの教会で行われた礼拝に参列したが、そこに彼の姿はなく、また名誉軍人の肩書を持ちながらも、戦没者を追悼するリメンブランス・サンデーの式典には2年連続で現れなかった。 民事裁判の行方を抜きにしても、アンドルー王子の評判はガタ落ちで、もしプラチナ・ジュビリーの祝賀イベントに公式に姿を現すとなると、大きな論争を巻き起こす可能性が高い。王子に対する訴訟が進展するかどうか、またどのように進展するかが、今後の王室を左右することになるだろう。 こうしたなか、未来の国王となるチャールズ皇太子とウィリアム王子は、王室が直面する課題を誰よりも痛感している。ウィリアム王子とキャサリン妃は国民からの絶大な人気を誇り、チャールズ皇太子とカミラ夫人も、世界的に夫婦として受け入れられることに成功している。
2022年も、こうした現役の高位ロイヤルたちが王室を先導していくこととなるだろう。女王がクリスマススピーチで、愛する夫フィリップ王配の活動が「引き継がれ、発展してきた」として、この2組の夫婦について具体的に言及したのは、決して偶然ではない。 新型コロナウイルス対策の制限が緩和され始めると、これまでのジュビリーの年と同様に、高位ロイヤルたちが英連邦の国々を広く訪れる姿が見られるようになるだろう。また今年は、ウィリアム王子が創設した「アースショット賞」がアメリカで開催されると発表されたため、ウィリアム王子夫妻のアメリカ訪問も実現するかもしれない。 なお、ヘンリー王子とメーガン妃が6月の祝賀イベントに出席するかどうかについては、まだ確認も発表もされていないが、ひょっとすると夫妻が海を渡って英国を訪問する可能性もある。 しかし、2人の出欠はさておき、祝賀イベントを取り巻く一家のトラブルについて考えると、夫妻が過去数年で公然と繰り広げてきた家族の絆の崩壊について言及することからは逃れられないだろう。 式典や植樹活動、公的なパーティやピクニックの企画にどれだけ注意を払ったとしても、結局のところ、プラチナ・ジュビリーの成功はロイヤルファミリーの言動にかかっているのだ。



ヘンリー王子夫妻は昨年、テレビ番組のインタビューで「ロイヤルファミリーのある人物から人種差別を受けた」と主張し、英王室を痛烈に批判して世界的な議論を巻き起こした。しかし、もし夫妻が他のロイヤルたちとともにバッキンガム宮殿のバルコニーに立ったとしたら、彼らとの良好な関係を取り戻したという強い合図になるかもしれない。 逆に、もし夫妻が今年も王室を批判するようなことをすれば、再び見出しを独占し、意見を二分する可能性がある。2022年末に出版予定のヘンリー王子の自伝は、プラチナ・ジュビリーの年を最高の形で締めくくるか、それとも今年が新たな「アナス・ホリビリス(ひどい年)」の候補になるかを決定づけるかもしれない。 3年にわたる問題を経て、2022年はロイヤルファミリーとって大きなターニングポイントとなりうる。しかし、現在進行中の問題がどのような方向に向かうのか、その審議はまだ終わっていない。
Translation: Masayo Fukaya

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最終更新:1/6(木) 21:20Harper’s BAZAAR(ハーパーズ バザー) 

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