旧・鮎の塩焼キングのブログ

80年代を「あの頃」として懐かしむブログでしたが、子を亡くした悲しみから立ち直ろうとするおじさんのブログに変わりました。

冒険小説 ハテナの交竜奇譚 第2話その5 『ダンジョン・アタック前編』 〜《ウォーグ》の洞穴〜

2025-02-01 08:20:00 | 小説

亡き次男に捧げる冒険小説です。


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〇五

 耳がプルプルと震えながら後ろ向きに折り畳まれ、尻尾がドリルのように小刻みに回る。取り乱したヴァッロから滲み出る愛くるしさに、ハーラとナーレはいつの間にか骨抜きになっていた。ただ一人テーリだけがヴァッロの小動物的な愛嬌に耐え、詰問を続けた。

「『チッチ様』の狙いはなんだ?言えヴァッロ!吐いて仕舞えば、オデは僕たちの役に立つんだぜ?」

オロオロとあたりを見回すヴァッロ。突然、ヴァッロの身体を抑える腕が生えてきた。テーリたちがギョッとしてよく見ると、金色の小さな塊がヴァッロの隣に座っていた。三人とも初めて出会う人種であった。《オートノーム》、機械仕掛けの《小人》であった。



【第2話 〇六に続く】

次回更新 令和7年2月3日月曜日


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食堂で不意に起こった夫婦喧嘩に首を突っ込むおかしな二人組。ことを荒立てなければ良いのだが。




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